台湾×東村山・小平・東大和|文化・食・歴史を巡る旅
(更新)
ステンドグラスの下に広がる、台湾の歴史と市民の日常
高雄を代表する観光スポットの一つとして知られている「美麗島駅」。地下鉄駅でありながら、世界で最も美しい駅の一つとして世界的に紹介されることもある高雄メトロの中心駅です。実際に訪れてみると、その魅力は単なる「映える駅」にとどまりません。巨大なステンドグラスの下では、市民が集い、イベントが開かれ、旅行者が足を止める。そこには、高雄という都市の歴史、文化、そして日常が凝縮された空間が広がっていました。

全体イメージ
美麗島駅最大の見どころが、改札外コンコースに広がる「光之穹頂(Dome of Light)」です。イタリア人芸術家ナルシサス・クアグリアータ(Narcissus Quagliata)氏が制作したこの作品は、
という圧倒的スケールを誇る、世界最大級のガラスパブリックアート作品の一つです。天井いっぱいに広がる色彩は、人生や宇宙の循環を象徴する物語として構成されています。
ドームは4つの象徴的な色彩で構成されています。
生命の誕生・始まり
成長・繁栄・大地
創造・希望・知性
破壊・再生・変革
苦難を乗り越えながら歩んできた台湾社会そのものを表しているのではと感じてしまいます。
この駅の名前の背景には、台湾近代史における重要な出来事があります。1979年、高雄で発生した「美麗島事件(フォルモサ事件)」。戒厳令下の台湾で民主化を求める市民らが集会を行い、当局との衝突・大規模逮捕へと発展した事件です。
事件自体は弾圧に終わりましたが、これを契機に台湾社会の民主化運動は大きく前進し、後の戒厳令解除、そして現在の民主的な台湾へとつながっていきました。美麗島駅という名前は、その歴史を忘れないために名付けられたもの。華やかなステンドグラスの下には、台湾が歩んできた苦難と再生の歴史が静かに重ねられています。

フリーマーケットイベント
今回訪問した際、ドームの下では多くの市民が集まり、マーケットイベントが開催されていました。旅行者が写真を撮る横で、地元の家族連れや若者が買い物を楽しみ、子どもたちが走り回る。
その光景から感じたのは、美麗島駅が高雄市民の日常に根付いた公共空間であるということでした。
美麗島駅では、時間帯によって異なる魅力を楽しめます。
光之穹頂では定期的に照明演出が行われ、ステンドグラスがより幻想的な空間へと変化します。
タイミングによってはドーム下に設置されたピアノ演奏に出会えることも。巨大な光のドームと音楽が重なる空間は圧巻です。
地上のガラス造形出口は、夜になると内部照明で美しく発光。地下だけでなく、地上から眺める美麗島駅も見逃せません。
近年、日本でも駅を単なる交通施設ではなく地域の交流拠点として活用する動きが広がっています。東村山・小平・東大和でも、駅前イベントやマルシェなど駅を核としたまちづくりが進んでいますが、美麗島駅はその先を行く存在にも感じられました。
交通、芸術、歴史、公共空間。駅ひとつで、ここまで都市の個性を表現できる。そんな都市設計の力を、現地で強く実感しました。
台湾に約10年間在住し、現地で生活・仕事を経験。
現在はまいぷれ東村山・小平・東大和 編集部として、北多摩と台湾をつなぐ視点から、歴史・文化・地域の魅力を取材・発信している。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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