台湾×東村山・小平・東大和|文化・食・歴史を巡る旅
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台南・祀典武廟に残る教育の原点
台湾・台南の中心部にある祀典武廟。ここは三国志に出てくる関羽を祀る廟として知られるだけでなく、台湾の歴史と教育の原点を今に伝える場所でもあります。

祀典武廟

国指定の遺跡

香炉

金紙を燃やし神様に奉納
入口に立つ石碑には「國定古蹟」の文字。これは台湾政府が指定する最高ランクの文化財であり、祀典武廟が持つ歴史的価値の高さを示しています。創建は明鄭時代(17世紀)にさかのぼり、清代・日本統治時代を通じて台南の中心的存在であり続けてきました。
境内には大きな香炉が置かれ、絶えず線香の煙が立ち上ります。さらに特徴的なのが、紙銭(いわゆる金紙)を焼く炉。参拝者が願いを込めた紙を炎にくべることで、あの世へ届けるという信仰です。観光地でありながら、ここは今も人々の生活と密接に結びついた場所です。

幼稚園趾
今回の取材で最も注目すべきは、境内に設置された石碑の存在です。そこには次のように刻まれています。
この碑文や現地の解説によると、日本統治時代初期、祀典武廟の「六和堂」と呼ばれる建物を利用して、台湾で初めて幼児教育の施設が設けられたとされています。
台南政府の資料によれば、
といった記録が残っています。また、園舎は武廟内の建物を利用していたとされ、民間宗教施設と教育が同じ空間に存在していたという点が大きな特徴です。
この幼稚園は約3年ほどで閉園したとされています。理由としては
などが指摘されています。
この幼稚園については、2012年に台南市の文化関連機関により「台湾で最初期の幼稚園の一つ」として位置づけられています。ただし、「台湾初」であるかどうかについては諸説あるようです。
東村山・小平・東大和においても、寺社や地域施設が人の集まる場所となり学びや交流の場として機能してきた歴史があります。祀典武廟を見ていると、「地域の中心が人を育てる」という構造は共通していることに気づかされます。祀典武廟は、過去の遺産ではありません。今も人が訪れ、祈り、通い続ける場所です。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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