東村山・小平・東大和の暮らし・生活ガイド
(更新)
東村山・小平・東大和には、日々様々な活動や取り組みが生まれています。今回はエイプリルフールを紐解いてみます。
4月1日の「エイプリルフール」。日本では“ちょっとした嘘や冗談を楽しむ日”として知られていますが、実は起源ははっきり確定していません。一方で、フランス、イギリス、イタリア、台湾、ロシア、イランなど、国や地域によって呼び方や楽しみ方には違いがあります。この記事では、確認できる資料をもとに、エイプリルフールの由来と世界の文化を整理して紹介します。

写真はイメー ジです
エイプリルフールの起源については諸説あります。『ブリタニカ百科事典』は、起源は不明としたうえで、有力説の一つとして、16世紀フランスで新年の扱いが変わったことと結びつける見方を紹介しています。『Historic UK』も、春の祭りとの関連説や、16世紀フランス起源説など複数の説を挙げており、いずれか一つに確定しているわけではないとしています。
よく知られているのが、16世紀フランスの暦変更説です。『ブリタニカ百科事典』によると、1564年のルシヨン勅令で、新年の扱いが1月1日に寄せられていったことが、4月初めに祝う旧習とのズレを生み、からかいの風習につながったという見方があります。ただし、これはあくまで有力説の一つで、決定的な起源とはされていません。
『Historic UK』では、春の訪れを祝う祭りや、古代ローマのヒラリア祭のような「季節の変わり目に日常の秩序が少し緩む祭礼」とエイプリルフールを結びつける見方も紹介されています。こちらも決定説ではありませんが、春の祝祭と冗談文化の結びつきはよく指摘される論点です。
日本では、現在のようなエイプリルフール文化は大正時代ごろに「四月馬鹿」として広まったとされます。一方で、4月1日にはかつて中国伝来とされる「不義理の日」の風習があったという説明も『日本大百科全書(ニッポニカ)』で紹介されています。これは嘘をついてよい日ではなく、日頃義理を欠いている相手に無沙汰を詫びる日という意味合いでした。
フランスではエイプリルフールを「Poisson d’avril(4月の魚)」と呼びます。魚の紙を人の背中にこっそり貼るいたずらが有名で、魚をモチーフにしたお菓子やチョコレートが話題になることもあります。フランス語圏のこの“魚”の文化は、イタリアにも似た形で見られます。
イギリスでは、エイプリルフールのいたずらは「正午まで」という伝承がよく知られています。『Historic UK』は、伝統的には12時を過ぎてから冗談を仕掛けた側がApril Foolとされると紹介しています。これは現代に法的なルールがあるわけではなく、あくまで英語圏で広く語られる慣習の一つです。
イタリアでは「Pesce d’aprile(4月の魚)」と呼ばれます。『トレッカーニ百科事典』は、4月1日の冗談やからかいをこの名で説明しており、魚に結びつく呼び方はフランス文化との近さを感じさせます。
ドイツ語では「Aprilscherz」、直訳すると「4月の冗談」です。名前自体が非常にストレートで、新聞やメディアの冗談企画として扱われることもあります。
中国語では「愚人节」と呼ばれます。人民網では、エイプリルフールの冗談でも行き過ぎれば問題になると伝えています。 実際に中国メディアでは、愚人节のいたずらによって警察対応やトラブルに発展した事例が報じられています。
浙江省では、「山で33人が遭難した」と虚偽の通報が行われ、60人以上の警察・関係者が出動する事態となりました。結果的にこれは愚人节のいたずらで、通報者は行政拘留7日間の処分を受けています。
また、「リストカット画像を送り自殺を装う」いたずらも発生し、警察・救急が出動する騒ぎとなりました。
台湾でも「愚人節」としてエイプリルフールは知られており、SNSや企業の企画として話題になることがあります。たとえば2023年には、Pizza Hut Taiwan がエイプリルフール企画として「Zero Damage Pizza(具材なしピザ)」を発表。実際に販売され、SNS上で大きな反響を呼びました。
День смеха(ジェーニ・スメーハ)=「笑いの日」
ロシアでは4月1日は「笑いの日」として知られ、人をからかう軽いジョークやいたずらを楽しむ日とされています。ロシアの文化ポータルによると、この習慣はピョートル1世の時代(17~18世紀)にヨーロッパ文化とともに広まったとされています。
イランでは、欧米のエイプリルフール(4月1日)に相当する明確な「嘘をつく日」は、広く定着した文化としては確認されていません。一方で、イランには春の訪れを祝うノウルーズ(Nowruz)という伝統行事があります。これは3月21日ごろに行われる新年の祝祭で、UNESCOの無形文化遺産にも登録されています。
ノウルーズの13日目には「Sizdah Bedar(シズダ・ベダール)」と呼ばれる日があり、
といった習慣があります。
「イランには、ノウルーズ(ペルシャ新年)13日目に行われる『Sizdah Bedar(シズダ・ベダール)』という行事があります。人々は公園や自然の中で一日を過ごし、飾っていた若草を川に流すなどして、悪運を外に出すとされています。
英語圏ではエイプリルフールに似た行事と紹介されることもありますが、嘘やいたずらを主とする行事ではなく、春の訪れと再生を祝う伝統的な風習とされています。」
国によって呼び方や伝統は違っても、近年はどの地域でも人を傷つけない冗談”が大事という感覚が強まっています。中国では虚偽情報の拡散への警戒が目立ち、台湾でもやりすぎの prank(悪戯) はよくないという記事が見られます。エイプリルフールは、単に嘘をついていい日ではなく、文化や価値観の違いが表れる日として見ると、より面白く感じられるかもしれません。
エイプリルフールの起源は定説がなく、フランスの暦変更説や春の祭り起源説など複数の見方があります。
世界を見ると、フランスやイタリアでは「4月の魚」、ロシアでは「笑いの日」、中国と台湾では「愚人節」と呼ばれ、それぞれ違った背景や受け止め方があります。また、イランにはノウルーズ文化の中で近い時期の行事もありますが、欧米式エイプリルフールと単純に同一視しないほうが正確です。
4月1日は「嘘をついていい日」ではなく、文化や価値観によって受け止め方が異なる日でもあります。
誰かを驚かせるだけでなく、相手を思いやるユーモアが求められる日といえそうです。
参考文献
Encyclopaedia Britannica「April Fools’ Day」
https://www.britannica.com/topic/April-Fools-Day
Historic UK「April Fools Day 1st April」
https://www.historic-uk.com/CultureUK/April-Fools-Day-1st-April/
Treccani「Pesce d’aprile」
https://www.treccani.it/enciclopedia/pesce-d-aprile_%28Enciclopedia-Italiana%29/
日本大百科全書(コトバンク)「エープリルフール」
https://kotobank.jp/word/えーぷりるふーる-3145889
Culture.ru「Когда в России начали отмечать 1 апреля?」
https://www.culture.ru/s/vopros/1-aprelya/
愚人节报假警 故意扰乱公共秩序将追究法律责任
https://zjnews.zjol.com.cn/system/2013/04/02/019251903.shtml
愚人节玩笑开大了 两小伙打架打进派出所
https://hznews.hangzhou.com.cn/shehui/content/2015-04/02/content_5714411_2.htm
台湾英文新聞(ピザハットの具材なしピザ)
Britannica Nowruz
https://www.britannica.com/topic/Nowruz
United Nations「International Nowruz Day」
https://www.un.org/en/observances/international-nowruz-day
Encyclopaedia Iranica「Nowruz」
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
この記事に関するキーワード

【小平市】災害時どうなる?放置車両撤去へ
小平市が協定締結

【世界のエイプリルフール】起源はどこ?フランス・台湾・ロシア・イランまで、現地の言葉と文化を紹介
東村山・小平・東大和には、日々様々な活動や取り組みが生まれています。今回はエイプリルフールを紐解いてみます。

【完全版】ひとり親家庭でもらえるお金まとめ|手当・支援制度一覧
児童扶養手当・教育支援・資格取得支援など主な制度を整理