
「グリーフのない人生は、ない」
― 小平で活動するグリーフサポートこだいら「グリこ」の森さん
身近な人を亡くしたとき、私たちはどう心を整えていけばよいのでしょうか。
小平で活動する「グリーフサポートこだいら グリこ」は、悲しみに寄り添い、語り合える“安心安全な居場所”を地域に根づかせようと、2017年から活動を続けています。
■ 1人で抱えなくていい――悲しみとともに生きる力を支える場所
「グリーフ(Grief)」とは、死別や喪失によって起きる、心や体のさまざまな反応のこと。
それは「病気」ではなく、ごく自然な人間の反応です。
例えば――
・何気ないことで突然涙が出る
・感情が抑えきれない
・逆に、解放されたように感じてしまう自分への自己嫌悪
・言葉にできない疲労感や、体の不調
こうした反応は決して 弱さ ではありません。
「グリこ」では、経験豊富なファシリテーターが寄り添いながら、誰もが自分のペースで語り、受け止め合えるような場を開いています。
■ 活動の広がりと、地域での連携
2017年の活動開始以降、2019年には親を亡くした4人の子どもたちが参加する機会もありました。
また、現在は毎週木曜日の10:00~12:00に定期開催。
さらに、2025年からは小平市の「あおば幼稚園」でも、2ヶ月に一度のペースで子ども向けの会が始まりました(次回は8月17日(日)13:00~15:00)。
活動は一時、コロナ禍によって中断を余儀なくされましたが、朝日新聞や東京新聞にも取り上げられるなど、地域の中でその意義が少しずつ認識されはじめています。
■ 「グリーフは現在形」――心の声に耳をすませるということ
グリーフは「終わる」ものではなく、「ともに生きる」もの。
「死別」が過去形であるならば、「グリーフ」は現在進行形。
誰かを失ったその瞬間から、その人の時間軸の中で、少しずつ形を変えて続いていきます。
また、グリーフは死別だけに限りません。
結婚、昇進、出産といった「良いこと」とされる出来事も、実はストレスの原因になり得る。
それが積み重なって心や体に表れるとき、人は変調をきたすことがあります。
ときにそれはPTSDのようなフラッシュバックとして現れることも。
「精神病」との区別が難しいこともあります。
それでも、「我慢すればいい」「強くなれ」という言葉で済ませず、自分の変化を言葉にし、語り合うことが、再び歩み出す力につながります。
■ 「子どものグリーフ」と向き合うということ
子どもが「死」を本当に理解できるのは、およそ10歳前後と言われています。
それ以前でも、子どもたちは大人の表情や空気感を敏感に察知し、言葉にできない不安や喪失感を心に抱えています。
近年、子どもの自殺が増えていることも深刻な社会課題です。
大切な人を亡くした子どもたちが、その後の人生を少しでも生きやすくするためには、早い段階で「悲しみ」や「混乱」を言葉にし、受け止めてもらえる経験が重要です。
「グリこ」の森さんは、子どもたちが安心して話せる場をつくり、「話してもいい、泣いてもいい」という安心感を届けています。
自分の気持ちを言葉にすること。
話すこと。
仲間と出会うこと。
これらは、子どもにとっても「レジリエンス(回復力)」を育む大切なステップです。
親を亡くした子どもたちが、その後の人生でも自分らしく歩いていけるように――。
「グリこ」の森さんの活動は、そうした思いに根ざしています。
■ 取材を終えて
「グリーフのない人生は、ない」
取材中に繰り返されたこの言葉が、深く心に残りました。
死や別れが“日常の中にあること”として語れるようになる社会へ。
「グリこ」の活動は、小平から少しずつその一歩を広げています。
■ イベント情報
子どものためのグリーフサポート
日時:2025年8月17日(日)13:00~15:00
会場:小平あおば幼稚園(小平市上水南町2-8-15)
お問合せ:m0r1.ykk@gmail.com







