こころの相談・居場所ガイド
(更新)
誰にも言えない気持ちを、ひとりにしない場所

子育ての中で、「誰かに話したい」と思う気持ちがあっても、気軽に相談できる相手が見つからないことがあります。同じ立場の人と、経験や気持ちを分かち合える場所があったら——。
Spina Ka Pilinaは、二分脊椎症のお子さんをもつママや当事者が、ゆるやかにつながるために生まれたコミュニティです。
立ち上げたのは、2024年11月。
息子さんが2歳のとき、二分脊椎症と向き合う中で「同じ立場のママとつながりたい」という想いが芽生えたことが始まりでした。
Instagramを通じて声をかけてみると、全国に同じ気持ちを抱えるママたちがいることが分かり、少しずつつながりが広がっていきました。
Spina Ka Pilinaが大切にしているのは、専門的な支援を行うことよりも、情報の共有と、気持ちのやりとりです。たとえば、
・就学に関する悩み
・就労や将来への不安
・お母さん自身の仕事や生活のこと
「正解」を出すのではなく、同じ立場だからこそ分かる気持ちを言葉にできる。そんなやりとりが、このコミュニティの中心にあります。
主な活動の場は、オープンチャット。読むだけの参加や、静かな関わり方も歓迎されています。また、オンラインだけでなく、実際に顔を合わせる機会も大切にしており、
と、少しずつ交流の輪が広がっています。
運営する川本さんのビジョンは、国内にとどまりません。アメリカをはじめ、海外では二分脊椎症への理解やバリアフリーが進み、地域や教会を中心とした募金・啓発活動も行われています。
10月は
「二分脊椎症啓発月間(Spina Bifida Awareness Month)」
この時期に、Spina Bifida Association(SBA)が主催する
「1マイル・ウォーク&ロール(1 Mile Walk & Roll)」
というイベントが開催されています。
川本さんは、こうした海外の取り組みにも目を向け、将来的にはこのWalk & Rollを、数年以内を目標に都内で開催することもひとつの夢として描いています。
「困ってから行く場所」ではなく、つながりを持っておくことで、心が少し軽くなる——
そんな場であることを大切にしています。
話を聞く中で印象的だったのは、「何かをしてあげる場所」ではなく、「同じ立場で並んでいられる場所」を丁寧につくろうとしている点でした。相談という言葉に構えなくても、共感できる誰かがいる。Spina Ka Pilinaは、その安心の余白をそっと用意しているコミュニティです。
※本記事の内容は、2026年2月の取材時点の情報をもとに構成しています。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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