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東村山・小平・東大和で出会う、表現を支える場所を訪ねて
小平・東村山・東大和のまちの中には、作品を発表する人、それを支える場所、そして表現に出会う人たちが静かに集まっています。
ギャラリーや工房、ワークショップスペースなど、規模は小さくても、それぞれに大切な物語を持つ場所があります。
この特集「地域のアーティストが集まる場所」では、多摩エリアで創作を支える空間を訪ねながら、まちに息づく表現の風景を紹介していきます。

風景や人の温かい瞬間を、やさしいタッチのイラストで描く人がいます。やまみスタジオのイラストレーター、やまみさんです。作品には、家族や日常の風景、地域の景色など、どこか懐かしく、見る人の心を和ませる空気が流れています。
やまみさんは学生時代以来、自分の作品を多く描いてきたわけではありませんでした。
「今まで、自分の作品は学生の時以来そんなに点数は描いていませんでした。描いたとしてもごくごくプライベートなもので、人に見せるものでもなかった。自信が無かったです。」
そんな中、家族を描いた一枚の絵がきっかけになります。ママ友に見せたところ、「ぜひ私の家族も描いてほしい」と言われたそうです。
「自分の絵でも欲しいと言ってもらえたこと、少しでも人の心を動かすことが出来たという驚きと共に、心の中に秘めていた『いつかイラストレーターになりたい』という気持ちに火を灯してくれました。」
この出来事が、やまみさんの活動の大きな一歩になりました。
東村山に引っ越してきてから、子どもの成長とともにこの街で暮らしてきたやまみさん。日々の生活の中で見慣れた景色や、よく訪れるお店など、身近な風景を描きたいと思うようになったそうです。
「見慣れたちょっとした風景や、行き慣れたお店とか、誰かと共有出来るような場面を描けたらいいなと思っています。」
地域で暮らす人にとって「分かる風景」を描くこと。それが、やまみさんの作品の魅力のひとつです。
作品づくりで大切にしていることを聞くと、こんな言葉が返ってきました。
「『挑戦しよう。』という気持ちを忘れないようにしようと思っています。」
新しいことに挑戦する気持ちを持ち続けること。その姿勢が、やまみさんの活動を支えています。
人物や家族を描くときは、どんな気持ちで向き合っているのでしょうか。
「『可愛い!』や幸せな気持ちを思い浮かべながら描いています。」
その想いが、作品のやわらかさや温かさにつながっています。
東村山で好きな場所として挙げてくれたのは、
・北山公園
・八国山
・狭山公園
どれも、自然が豊かで地域の人に親しまれている場所です。
これから描きたい場所として、やまみさんはこう話してくれました。
「弁天池公園を描いておきたいです。あと、化成小の前の『いとうやさん』です。訪れる人の笑顔と共に風景を描ければ良いなと思っています。」
地域の風景だけでなく、そこに集まる人の表情まで描きたい。そんな想いが伝わってきます。
東村山の景色や人の温かさを、やさしいタッチで描くやまみさん。北山公園や八国山、弁天池公園など、この街で暮らす人にとって身近な風景が、作品の中で新しい魅力を持って現れます。まいぷれでは「地域のアーティストが集まる場所」として、東村山・小平・東大和エリアで活動する作家や表現者、そしてその場所をこれからも紹介していきます。

東村山の風景や歴史をイラストで描き続けている人がいます。
東村山を描く人 舞子さんです。
ふるさとの景色や文化を絵に残す活動は、コロナ禍のある思いから始まりました。
舞子さんは、子どもの頃から東村山の歴史や自然に触れる機会が多かったそうです。
「子供の頃からふるさと歴史館や八国山へ行くことが多く、東村山の郷土史が自然と身に付く環境にいました。」
そんな環境で育ったこともあり、東村山の歴史や文化は自然と身近なものになっていきました。そしてコロナ禍、自宅で過ごす時間が増えたことをきっかけに、得意なイラストで東村山の魅力を伝えたいと思い、作品を描き始めたといいます。
舞子さんが最初に描いたのは、西武多摩湖線を走る新101系電車と狭山公園の景色でした。
「新101系電車が多摩湖線での運用を終了することになり、イラストで思い出を残したいと考えました。」
この作品は、同級生が代表を務めるイベントバー「LiCoD」に置かれているそうです。身近な人とのつながりも、舞子さんの活動を支える大切なきっかけになっています。
一昨年、Bee cafeで個展を開催した際、来場者から「むさしの認定こども園で西宿人形芝居の公演があります」と誘われ、公演を鑑賞する機会がありました。そこで舞子さんは大きな衝撃を受けます。
「諏訪町からこんなに素晴らしい伝統芸能が誕生していたとは!イラストを通して沢山の人に人形芝居を知ってほしい!」
地域の文化との出会いが、新たな作品へとつながりました。
また、この出会いをきっかけに、舞子さんのイラスト活動の幅も広がっていきます。
東村山には好きな景色がたくさんあるという舞子さん。その中でも特に好きな場所は、狭山公園の堤防だそうです。
「気分をリセットしたいときは必ず訪れています。東村山の街から登る朝日が大好きです。」
東村山の自然や空の表情は、舞子さんの作品にも大きな影響を与えています。
これから描いてみたい場所として挙げてくれたのは、現在高架化が進む東村山駅の風景です。
「高架化が進み賑わいを見せる東村山駅と、地元で愛されるお店の絵を描きたいです。」
変わりゆく街の景色と、そこにある人の営み。それらをイラストで残していきたいと考えています。
東村山の風景や文化を、やさしいタッチで描き続ける舞子さん。その作品は、地域の記憶や魅力を未来へつなぐ大切な表現でもあります。小平・東村山・東大和エリアには、まだ知られていない創作活動や表現がたくさんあります。この特集「地域のアーティストが集まる場所」では、これからも地域の中で生まれる表現や、それを支える場所を紹介していきます。

住宅街の一角に、小さな階段があります。
その段を上がると、作品を発表する人、それを楽しみに訪れる人、そしてまだ出会ったことのない表現に心を動かす人たちが、静かに集まっています。東村山にあるギャラリーカフェ「Gallery Parque(ギャラリーパルケ)」は、アーティストや創作活動をする人たちが自然と集まる場所です。
「いろいろなことを表現する方が、どんなことをしたいのか。自分が楽しんでいる姿を、私たちが垣間見られる場所。それがギャラリーだと思っています。」
そう話してくれたのはオーナーのオオツさん。
作品を見て感動する人もいれば、「なんじゃこりゃ」と戸惑う人もいる。でも、どちらも心が動いているという点では同じ。
「知ることが、感動につながるんです。」
Gallery Parqueは、作品を並べる場所というよりも、表現する人のエネルギーを間近で感じられる場所なのかもしれません。最近では瞑想会も開催。「やろうと思う人が使える場所でありたい」と話します。
ギャラリーを始めたのは2015年4月の終わり。今年で12年目を迎えます。最初はオオツさん自ら作家を探し、直接声をかけて企画展を開いてきました。最初に展示したのは「さをり織」の教室の作品。趣味で始めた創作が、初めて人の目に触れる場所になりました。今でも体験の機会が時折開かれています。
ここは、有名な作家のためだけの場所ではありません。
そんな人たちの最初の個展を支えてきました。
「ここの段を上がってくる人は、変人です。」
そう笑いながら話します。もちろん、悪い意味ではありません。ユーモアがあって、懐が深く、それぞれの個性を尊重し合える人たち。愛すべき変人たちが自然と集まるのがGallery Parqueです。展示をきっかけに仲間ができ、ときには「大人の遠足」と称して成田山新勝寺へ出かけたり、バス旅行に行ったり。モンゴルまで旅をしたこともあるそうです。作品の発表だけでなく、人と人とのつながりが生まれる場所になっています。
「やってよかったと思う瞬間は?」と尋ねると、「毎回です」と即答。幸せそうに見える絵の裏に、実は深い想いが込められていたこと。話してみるとまったく違う世界観が広がっていたこと。
「会えてよかった、と思うことがたくさんありすぎて困ります。」
続ける理由を聞くと、「楽しいから。」その一言でした。
「これからどうなっていきたいですか?」
「発展とかはないですね。今のまま。まだここに来ていない人が来てくれたら、それで十分です。」コロナ禍でもギャラリーは閉めず、カフェとして人を迎え入れ、秋には展示会を続けてきました。特別な拡大を目指すのではなく、淡々と、でも楽しみながら続いてきた12年。東村山の住宅街にある小さなギャラリーは、今日もまた誰かの表現と出会える場所であり続けています。
Gallery Parqueは、作品を並べる空間であると同時に、表現する人を支える土壌のような存在です。小平・東村山・東大和エリアには、まだ知られていない創作の拠点が点在しています。この特集では、そんな場所をこれからも訪ねていきます。次回もお楽しみに。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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