暮らしと仕事の「?」を調べてみた
(更新)
物価高で食料困窮の経験が年収 200 万円層で増加

図:公開資料をもとに編集部作成(生成AIを使用)
暮らしと仕事の「?」を調べてみた
2026年10月9日|まいぷれ東村山・小平・東大和 編集部
スーパーで買い物をするとき、以前より食品の値段が高くなったと感じることはありませんか。
食費を抑えるために、買うものを変えたり、購入する量を減らしたりしている家庭もあるかもしれません。
では、節約だけでは対応できず、お金が足りないために、家族に必要な食料を買えなかったという経験は、どのくらいの世帯にあるのでしょうか。
2026年10月8日、東京大学社会科学研究所が、その実態を調べた追跡調査の結果を公表しました。
今回は原資料を確認し、調査から分かったこと、まだ分からないこと、そして東村山市・小平市・東大和市で利用できる相談窓口を調べました。
2024年から2026年までの3回の調査で、少なくとも一度、食料困窮を経験した割合は次のとおりです。
出典:東京大学社会科学研究所「東大社研パネル調査・2026年速報(3)」
ここで注意したいのは、これらは現在食べ物を買えない世帯の割合ではないということです。
2024~2026年の3回の調査のうち、一度でも該当する経験があった割合を示しています。また、年収区分は2026年調査で回答された世帯年収に基づきます。
東京大学の調査では、過去1年間に、お金が足りないために家族に必要な食料を買えなかったことがあるかを尋ねています。嗜好品は対象から除かれています。
回答のうち「ときどきあった」「よくあった」を食料困窮として集計しています。「まれにあった」は、この集計には含まれていません。
つまり、外食を控えた、安い商品を選んだという一般的な節約行動ではなく、必要な食料をお金の不足によって購入できなかった経験に注目した調査です。
2021年から2026年までの6回すべてに回答した3,089人を対象とした比較では、食料困窮を経験した割合は2023年調査の1.7%から、2024年調査には2.1%に上昇しました。
研究チームは、物価高騰が顕著になった時期以降、食料困窮の経験が微増し、以前より高めの割合が続いていると説明しています。
さらに、2021~2023年の3回で一度でも経験した割合は全体で3.8%、2024~2026年では5.1%でした。
ただし、これらの数値だけで、増加のすべてが物価上昇によって起きたと断定することはできません。収入の変化や家族構成、住居費など、家計を取り巻く条件も考える必要があります。
今回の結果で特に注目したいのは、世帯年収が最も低い区分ではなく、「200万円程度」の区分で食料困窮の経験率が最も高かったことです。
さらに「500万円程度」の区分でも8.0%という結果が示されています。
これは、食料困窮が最も収入の少ない世帯だけに限られるわけではないことを示しています。
ただし、年収500万円の世帯が一律に困窮しているわけではありません。同じ世帯年収でも、一人暮らしなのか、子どもが複数いるのか、住宅費がどのくらいかによって、使えるお金は異なります。
今回の資料から、個々の世帯が食料困窮に陥った原因まで特定することはできません。
世帯人数別に見ると、2024~2026年の3回で食料困窮を経験した割合は、単身世帯で8.5%、6人以上の世帯で8.0%でした。
研究チームは、単身世帯や5人以上の多人数世帯で経験率が比較的高いことを指摘しています。
一人で生活費を負担する世帯、子どもや家族の人数が多い世帯では、それぞれ異なる家計上の課題が考えられます。
ただし、世帯人数だけで困窮の原因を説明できるわけではなく、さらに詳しい分析が必要です。
今回の調査は、同じ対象者を継続して追跡するパネル調査です。2026年1~3月の調査には3,883人が回答しています。
長期的な変化を捉えられる一方、今回の発表だけでは、次の点までは分かりません。
なお、2026年には調査方法が紙の調査票からウェブ回答中心に変更されています。年ごとの比較では、こうした調査条件の変化にも注意が必要です。
今回の全国調査を、そのまま3市の実態に当てはめることはできません。
一方、地域には生活費や食料のことで困ったときに相談できる窓口があります。食料の提供だけでなく、家計や仕事、住まいについて相談できる場合もあります。
東村山市くらし・しごとサポートセンター。生活や仕事、住まいなどの困りごとについて無料で相談できます。
電話:042-306-3427
場所:東村山市本町1-1-1 市民センター1階
受付:平日8:30~17:15(祝日・年末年始を除く)
生活上のさまざまな困りごとについて、専門の相談員が利用できる制度や支援先を一緒に考えます。相談は無料で、秘密は守られます。
電話:042-349-0151
場所:小平市学園東町1-19-13 福祉会館4階
受付:平日9:00~17:00(祝日・年末年始を除く)
生活や仕事、家計の問題について相談できる窓口です。必要に応じて支援計画の作成や、関係機関との連携も行います。
電話:042-563-2111(内線1081)
場所:東大和市役所本庁舎2階
受付:平日8:30~17:15(祝日・年末年始を除く)
※各窓口は生活相談の案内です。食品の直接配布を常時保証するものではありません。利用できる支援や条件については、相談時に確認してください。
東村山市社会福祉協議会では、食品を無償提供するフードパントリーの実施例があります。ただし、確認した2026年2月27日付の募集案内は、すでに受付を終了しています。
東大和市社会福祉協議会では、フードバンクに関する取り組みを案内しています。また、小平市では、家庭などから寄付された未利用食品が生活困窮者支援や市内の子ども食堂などで活用されています。
こうした活動は地域の大切な支えですが、食品の配布対象や実施日、利用条件は事業ごとに異なります。支援を必要とする場合は、まず各市の生活相談窓口に相談することをおすすめします。
東村山市社会福祉協議会・過去のフードパントリー案内 →
東大和市社会福祉協議会・フードバンク →
小平市・フードドライブの取り組み →
食べ物が買えないという問題を考えるとき、私たちはつい、収入が極端に少ない家庭のことを思い浮かべるかもしれません。
しかし今回の調査では、世帯年収200万円程度の層で経験率が高く、500万円程度の層にも困窮経験があることが示されました。
収入の数字だけでは、それぞれの家庭の暮らしを十分に理解することはできません。
また、食料に困っていても、どこに相談すればよいか分からない人や、支援を受けることにためらいを感じる人もいるかもしれません。
必要な食べ物を買えることは、健康に暮らすための基本です。
今回の全国調査をきっかけに、東村山・小平・東大和ではどのような困りごとがあり、どのような支援が届いているのか。編集部としても、地域の取り組みを引き続き調べていきたいと思います。
東京大学社会科学研究所パネル調査プロジェクト
「物価高で食料困窮の経験が年収200万円層で増加:東大社研パネル調査・2026年速報(3)」
2026年10月8日公表
※この記事は2026年10月9日時点の公表資料・公式案内に基づいています。地域の食料困窮率を独自に調査したものではありません。支援制度の最新情報は各窓口にご確認ください。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。