まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部
大型商業施設と地域商店をつなぐ消費促進策
50台湾ドルごとに抽選番号を付与。個人商店や商店街も参加できる地域商業振興の仕組みに注目
台湾の今を、日本へ。
まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部でございます。当事業部では、台湾の企業・商品・文化を日本へご紹介するとともに、地域や企業の皆さまをつなぐ相談窓口として活動しております。
連載「台湾の今」では、現地で起きている新しい動きを取り上げ、その背景にある仕組みや、日本の地域・事業者にもつながる視点とともにご紹介してまいります。
今回は、台湾南部の台南市で実施されている「2026台南購物節(台南ショッピングフェスティバル)」をご紹介します。
台南市政府は2026年10月24日、同キャンペーンに登録された消費額が25億台湾ドルを突破したと発表しました。
50台湾ドルの買い物から参加できる抽選キャンペーン
「台南購物節」は、台南市内での買い物や消費を促進するための取り組みです。
参加者は対象となる買い物の金額を登録することで、抽選に参加できます。
基本となる仕組みは、50台湾ドルの消費につき抽選番号を1つ獲得できるというものです。
さらに、指定された協力店舗での消費については、抽選番号が2倍付与される仕組みも設けられています。
例えば、同じ金額の買い物でも、協力店舗を選ぶことで抽選の機会が増えることになります。
この仕組みは、買い物をする人にとっての楽しみであると同時に、参加店舗を知ってもらうきっかけにもなります。
大型商業施設だけでなく、地域の商店もキャンペーンの対象に含まれていることが、今回の取り組みの特徴です。
消費登録額25億台湾ドルを突破
台南市政府が10月24日に発表した消費登録額は、25億台湾ドルを超えました。
もちろん、もともと予定されていた買い物や日常的な支出が登録されている可能性もあります。
そのため、この金額だけを根拠に、台南市の消費が25億台湾ドル増えたと判断することはできません。
一方で、これほどの金額がキャンペーンに登録されたことは、買い物と抽選を結びつける仕組みが一定の規模で利用されていることを示しています。
今後は、参加者数や登録店舗数、実際の消費行動の変化なども含めて、取り組みの成果を見ていく必要があります。
月例抽選に地元ブランドも参加
10月24日には、今回のキャンペーンで初となる月例抽選が実施されました。
また、地元の飲料ブランドと連携した賞品の追加や、新たな公式キャラクター「購購(GOGO)鴨」も発表されています。
抽選による楽しみに加え、地域ブランドとの連携やキャラクターを活用した情報発信も組み合わせています。
ここで注目したいのは、買い物をする人と地域の事業者が、キャンペーンを通じて接点を持つことです。
賞品を提供する地域ブランドにとっても、商品や企業を知ってもらう機会となる可能性があります。
大型商業施設と個人商店を一つの仕組みで結ぶ
台南購物節の特徴は、複数の業態を一つのキャンペーンで結びつけていることです。
百貨店や大型商業施設、商店街、宿泊施設、地域の個人商店など、規模や業態の異なる事業者が同じ取り組みに参加できます。
消費者にとっては、買い物先ごとに異なるキャンペーンを探すのではなく、共通の仕組みを通じて抽選に参加できるという利点があります。
また、協力店舗への抽選番号の追加付与は、特定の店舗を利用する動機づけにもなります。
もちろん、こうした仕組みが実際に複数店舗の回遊を増やしたかどうかは、別途検証が必要です。
それでも、個々の店舗が単独で集客するだけでなく、地域全体で共通の参加機会をつくるという発想は、商店街振興を考えるうえで参考になります。
日本の商店街にも参考になること
日本の地域商店街でも、スタンプラリーや抽選会、共通クーポンなど、複数店舗を結びつける取り組みが行われています。
今回の台南購物節から考えられるのは、そうした取り組みを、地域の大型店舗から小規模な個人商店まで幅広く参加できる仕組みとして設計することです。
例えば、東村山市・小平市・東大和市のように、駅前商店街と住宅地の個人商店が点在する地域では、店舗を知ってもらうこと自体が課題となる場合もあります。
共通のキャンペーンを通じて、普段利用している店だけでなく、これまで知らなかった店にも目を向けてもらう機会をつくることが考えられます。
2027年3月15日まで継続
2026台南購物節は、2027年3月15日まで実施される予定です。
今後も抽選や参加店舗による取り組みが続くなかで、登録消費額だけでなく、地域の事業者にどのような成果が生まれるのかが注目されます。
台南市の事例は、地域商業の振興を単なる値引きや一時的なイベントではなく、複数の事業者が参加する継続的な仕組みとして考える材料となります。
まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部では、こうした台湾の地域産業や商業振興の取り組みも、日本の地域事業者の皆さまにご紹介してまいります。
参考資料
台南市政府「2026台南購物節」に関する2026年10月24日発表
https://www.tainan.gov.tw/News_Content.aspx?n=13370&s=8843432&sms=9748
※本記事の消費登録額は2026年10月24日の発表時点の数値です。実際の売上増加額や経済波及効果を示すものではありません。
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