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台湾・台南の市場グルメが全国へ――小さな商店の味を商品化する、自治体の新しい産業支援

まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部

台湾の今を、日本へ。

まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部でございます。当事業部では、台湾の企業・商品・文化を日本市場へご紹介するとともに、日中ビジネス通訳・翻訳や販路開拓を通じて、地域や企業の皆さまをつなぐ相談窓口として活動しております。

連載「台湾の今」では、現地で起きている新しい産業動向や地域振興の試みを取り上げ、その背景にある仕組みや、日本の地域・事業者にもつながる視点とともにご紹介してまいります。


古都・台南の食文化を支える伝統市場とその課題

台湾古都・台南の大きな魅力の一つに、路地裏や伝統市場に息づく多彩なローカルグルメ(小吃)がございます。台南における伝統市場は、日々の食材を調達する場にとどまらず、何世代にもわたり受け継がれてきた名物料理をその場で味わい、人びとが言葉を交わす生活文化の拠点として大切な役割を果たしてまいりました。

しかしながら、こうした市場に根ざす小規模な店舗が提供する料理の多くは、「店頭で調理し、出来立てをその場で提供すること」を前提としております。長年にわたり地元住民に深く親しまれてきた確かな味であっても、賞味期限の短さや製造設備の制約などから、市場の外や遠方の生活者へその味を届けることには大きな壁が存在しておりました。

こうした背景を受け、台南市政府経済発展局市場処は2026年10月19日、伝統市場の小吃のアップグレードとデジタル転換を後押しする実証支援事業「市場好物優化PLUS」の成果を発表いたしました。


自治体・民間食品企業・市場店舗が連携する商品化の仕組み

「市場好物優化PLUS」は、一時的なPRイベントや催事出店にとどまらず、伝統市場の小規模店舗が守ってきた味のレシピを、地域外へ流通可能な「規格化された商品」へと発展させる伴走型の産業支援施策でございます。

台南市政府市場処による主導のもと、外部の専門家チームに加え、民間食品企業の「利鑫豐食品有限公司」などが製造・加工のパートナーとして参画いたしました。店頭での手作り調理にとどまっていた伝統の味に対し、食品の検査・認証を含む商品化支援、商品規格の統一、パッケージおよびブランドデザインの刷新、さらにはEC流通を見据えたデジタルマーケティングに至るまで、包括的な支援体制が構築されております。

今回の実証事業においてモデル事例として選定された3事業者の特色と、商品化に向けた取り組みは以下の通りでございます。


対象となる3事業者の特色と商品化への取り組み

  • 東菜市市場「月霞麵攤」――伝統の「台式肉燥」を調理用パックへ
    東菜市場において60年以上の歴史を刻む老舗麺店「月霞麵攤」。長年受け継がれてきた看板の豚肉そぼろ煮込み「肉燥」の味わいを家庭で再現できるよう、規格化された「調理用パック」への商品化が進められております。
  • 西門浅草市場「誠仔虎咬豬」――名物「梅干扣肉刈包」を冷凍セットに
    台湾風バーガーとして親しまれる刈包(グゥアパオ、別名:虎咬豬)の専門店「誠仔虎咬豬」。じっくりと煮込んだ豚バラ肉と特製の青菜漬けを合わせた「梅干扣肉」と、蒸し生地を組み合わせた「冷凍セット」の開発により、家庭でも手軽に出来立ての風味を楽しめる仕様を目指しております。
    ※料理名に含まれる「梅干」は日本の梅干しではなく、台湾で豚肉料理に広く用いられる青菜の発酵乾燥漬物(梅菜)を指しております。
  • 学甲市場「榮坊米食」――伝統の米食「古早味清粿」の品質維持・商品化へ
    学甲市場において手作りの米食文化を守り続ける「榮坊米食」。伝統的な米惣菜・米生地である「古早味清粿」について、本来の風味を損なわずに流通に適した品質を保つための商品化支援が行われております。


「店頭の料理」から「流通商品」へ発展させる難しさ

小規模な飲食店が人気メニューを商品化しようとする際、最大の課題となるのが「厨房での出来立て提供」と「包装された流通食品」との間にある性質の違いでございます。

厨房で調理して直ちに提供する形式と、配送・保存・開封後の再調理を経て消費者の手元に届く形式とでは、求められる衛生基準や温度管理、品質の安定性が根本から異なります。店舗単独では対応が難しいこれらの技術的課題に対し、本事業では専門企業が伴走し、食品の検査・認証や流通に適したパッケージ設計が進められました。

現在は、商品化とEC流通に向けた支援成果が発表された段階であり、具体的な販売実績や取引拡大につきましては、今後の進展事項として注目されております。

※公表資料に基づき、本記事では支援の仕組みおよび発表内容を中心にご紹介しております。具体的な販売開始や流通成果については今後の検証事項となります。


日本の地域事業者への示唆(編集部考察)

この台南市における取り組みは、私どもが拠点を置く東京都小平市、東村山市、東大和市をはじめ、日本の地域商店街や個人飲食店の皆さまにとっても非常に示唆に富む事例であると考えられます。

多摩地域におきましても、「長年地域で愛されてきた自慢の味を商品化し、より広い地域へ届けたい」という志を持つ事業者さまは多くいらっしゃいます。しかしながら、小規模事業者さまが単独で取り組む場合、衛生基準の適合や食品表示の確認、賞味期限と風味の両立、小ロットでの受託製造先(OEM)の開拓、デザインや販路開拓にかかる費用などが大きな参入障壁となりがちでございます。

台南市の事例のように、自治体が枠組みを整え、利鑫豐食品のような地元の民間食品企業と連携させることで、個店の「味のレシピ」という地域資源を流通可能な形へと引き上げるアプローチは、日本の地域産業支援や商店街活性化においても大変参考になる仕組みであると存じます。


台湾ビジネス事業部より

まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部では、「台湾の魅力が、ここに集まる。」をコンセプトに、台湾の社会・文化・産業の最新動向を丁寧にお届けしております。

台湾企業との商談支援や販路開拓、日中ビジネス通訳・繁体字翻訳など、単なる言葉の置き換えにとどまらず、文化的背景や地域文脈をくみ取った伴走型の支援を行っております。台湾の地域産業振興や商品化の事例に関心をお持ちの事業者さま、台湾企業との連携や日本市場での展開をご検討中の皆さまは、構想段階からでもどうぞお気軽にご相談くださいませ。

【お問い合わせ】
受付時間:日曜日〜土曜日 9:00〜17:00
ご相談方法:当社Webサイトのお問い合わせ窓口よりお気軽にご連絡くださいませ。


【参考情報】

本記事は、台湾・台南市政府市場処による公式発表資料(2026年10月19日)をもとに、まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部が地域産業支援および日台の地域事業者への示唆の視点から構成したものです。

  • 台南市政府市場処|伝統市場の小吃アップグレード支援に関する公式発表


基本情報

名称まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部
フリガナマチノネゴウドウガイシャ タイワンビジネスジギョウブ
住所187-0023 小平市上水新町1-17-18
営業時間詳しくはお問い合わせください
支払い方法現金払いのみ
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