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鉄道に乗って、地域の店を巡る――台湾・南投で進む15の店舗・団体の連携と地方創生

まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部

台湾の今を、日本へ。

まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部でございます。当事業部では、台湾の企業・商品・文化を日本へご紹介するとともに、地域や企業の皆さまをつなぐ相談窓口として活動しております。

連載「台湾の今」では、現地で起きている新しい動きを取り上げ、その背景にある仕組みや、日本の地域・事業者にもつながる視点とともにご紹介してまいります。

台湾の地域づくりにおいて、小規模な事業者同士が横につながり、公共交通と連動した興味深い取り組みが進んでおります。

台湾中部・南投県にて開催される「2026里山生活節」は、地域の飲食店、農産物事業者、工芸、漢方文化など、15の店舗・地域団体が連携して取り組む試みです。単なる観光イベントにとどまらず、台湾政府が推進する小規模事業者連携の施策と、鉄道を起点とした周遊の仕組みが背景にございます。台湾経済部などの公開情報をもとに、その背景と地域連携のあり方を紐解きます。


南投県で開催される「2026里山生活節」

台湾経済部中小及新創企業署の公式発表によりますと、「2026里山生活節」の概要は以下の通りです。

  • 日時
    2026年10月9日(金) 10:00〜15:00
  • 会場
    南投県・車埕鉄道文化広場
  • 主催
    南投城鄉聯盟
  • 連携主体
    南投県水里郷・集集鎮周辺の15店舗・地域団体

会場では、地域の食や市場、街歩き、手作り体験などが紹介される予定となっております。また、来場者に向けて数量限定の買い物優待券の提供なども計画されています。なお、今回の取り組みは15の連携店舗・団体が共同で推進するものであり、すべての店舗がイベント会場に直接出店する形態とは限りません。地域全体を面として捉えた連携が図られています。


小さな店がつながる「城鄉聯盟」とは?

今回の取り組みの基盤となっているのが、台湾経済部中小及新創企業署が2024年より進めている「城鄉聯盟(都市・農村アライアンス)」政策です。

この政策は、台湾全22県市において、地域の小規模事業者、若者によるチーム、地域団体、商圏(商店街組織)などを中心とした横の連携を後押しする制度です。

主な支援内容には、以下のような領域が含まれます。

  • デジタルマーケティングの導入支援
    個店単独では負担の大きい情報発信や認知拡大の底上げ
  • ビジネスモデルの改善
    地域資源を活かした持続可能な事業構造の再構築
  • 体験型サービスの開発
    見学やワークショップなど、滞在価値を高めるコンテンツの設計
  • 販路連携の推進
    事業者同士が相互に商品を扱い合う共同プロモーションの展開

小規模な事業者にとって、単独での集客や商品開発、プロモーションには限界が伴います。「城鄉聯盟」では、同業・異業種を問わず地域内で手を取り合うことで、街全体としての魅力を高め、個々の事業者が持続的に発展できる環境づくりを目指しています。


鉄道で訪れた人を街へつなぐ仕組み

「2026里山生活節」のもう一つの大きな特徴は、台湾鉄路公司(台湾鉄道)との連携による鉄道観光の連動です。

2026年8月、台湾鉄路公司と経済部中小及新創企業署の連携により、地域の魅力をデザインしたラッピング列車「城鄉尋味號」が運行を開始いたしました。今回の里山生活節は、この鉄道観光施策と緊密に結びついて展開されています。

  • 集集線を活用した地域周遊
    風情あるローカル線「集集線」を活用し、沿線の風景と街歩きを接続
  • 九宮格在地走讀解謎
    水里・車埕エリアを対象とした、まち歩き・謎解き型の体験コンテンツ
  • 打卡尋寶GO!
    二水駅から車埕駅までの沿線で展開されるチェックポイント周遊企画(2026年11月30日まで実施予定)
  • 地域限定記念品の贈呈
    指定のミッションを達成した来訪者への記念品提供を通じた回遊促進

鉄道を単なる目的地への移動手段として終わらせず、沿線の駅や街に降り立ち、歩いて巡るきっかけとして機能させている点が注目されます。


観光客を地域の消費へつなげる導線設計

駅前広場でのイベント開催、市場、飲食、街歩き、買い物優待券、記念品などを組み合わせることで、「駅に到着して終わり」にしない動線が意図されています。

「駅から街へ、街から個店へ」という人の流れを生み出し、駅周辺の観光施設だけでなく、地域で日々の営みを続ける個店や体験プログラムへと誘引する構造です。

ただし、こうした取り組みによる実際の来店者増加数や売上効果、長期的な経済波及効果につきましては、現時点では実証済みのデータとして示されているわけではございません。あくまで、小規模事業者が孤立せずに来訪者を街へ受け入れるための、仕組みづくりとしての試みとして捉えることが適切かと存じます。


日本の地域づくりや地域メディアへのヒント

台湾・南投県におけるこの試みは、日本の地域づくりにとっても多くの示唆を含んでいるように見受けられます。

私たちが拠点を置く北多摩エリア(東村山・小平・東大和など)にも、複数の鉄道路線や駅、日々の暮らしを支える個人商店、魅力ある飲食店、都市農業を担う農産物直売所、歴史ある文化施設などが点在しております。

こうした地域資源を個別の点として発信するだけでなく、複数の事業者が連携して小さな周遊企画や共通の体験をつくることができれば、街を歩く動機がより豊かになる可能性がございます。

特に、地域の個店や事業者の情報を集め、事業者同士のつながりを生み出し、住民や来訪者へ丁寧に届けていく「地域メディア」の役割は、こうしたネットワークの結節点として重要な意味を持つのではないでしょうか。

台湾の政策や制度をそのまま日本の地域へ当てはめることはできませんが、「小さな個店がつながり、交通インフラと結びついて人を街へ迎え入れる」という着眼点は、足元の地域を見つめ直す有益なヒントになるものと感じております。


まとめ

地域の魅力は、大規模な観光名所や著名な施設だけにあるわけではございません。日頃からその土地で暖簾を守り、文化や食を受け継いでいる小さな店舗や、地域活動に携わる人々の存在こそが、土地固有の個性をつくっています。

台湾・南投の取り組みは、そうした点在する地域資源を横につなぎ、街全体の物語として届けていこうとする挑戦です。個店同士の連携が地域にどのような循環を生み出すのか、当事業部でも台湾の動向を継続して見守ってまいります。


台湾ビジネス事業部より

まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部では、「台湾の魅力が、ここに集まる。」をコンセプトに、台湾の社会・産業・文化に関する最新動向を丁寧にお届けしております。

台湾企業との商談支援や販路開拓、展示会でのアテンド、日中ビジネス通訳・繁体字翻訳など、言葉の置き換えにとどまらず、文化的背景や地域文脈をくみ取ったきめ細やかな対話支援を行っております。台湾との事業連携や地域交流をご検討中の事業者さまは、構想段階からでもどうぞお気軽にご相談くださいませ。

【お問い合わせ】
受付時間:9:00〜17:00(土日祝日含む)
ご相談方法:当社Webサイトのお問い合わせ窓口よりお気軽にご連絡くださいませ。


【主な確認資料】
・経済部中小及新創企業署公式発表|國慶連假遊南投 經濟部邀您搭火車逛里山市集(2026年10月7日)
・経済部中小及新創企業署|城鄉特色網(城鄉聯盟推進情報)


基本情報

名称まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部
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住所187-0023 小平市上水新町1-17-18
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