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一本のバナナから“街”をつくる――台湾・旗山『金蕉一條街』と沖縄をつなぐ地域ブランド戦略

まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部

台湾の今を、日本へ。

まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部でございます。当事業部では、台湾の企業・商品・文化を日本へご紹介するとともに、地域や企業の皆さまをつなぐ相談窓口として活動しております。

連載「台湾の今」では、現地で起きている新しい動きを取り上げ、その背景にある仕組みや、日本の地域・事業者にもつながる視点とともにご紹介してまいります。

地域の名産品をどのように活かし、街全体の活力へつなげていくか――これは日本の多くの地域にとっても共通のテーマではないでしょうか。

台湾南部・高雄市に位置する旗山(きざん)は、かつて日本向け輸出でも栄えた歴史を持つ、台湾有数のバナナの産地です。この旗山で2026年9月26日から27日にかけて「2026旗山×沖縄 国際食旅祭」が開催されました。この催しを入口に街の取り組みを紐解いていくと、単なる農産物の販売にとどまらず、一つの作物を街全体のブランドへと育てていく綿密な仕組みが見えてまいります。


台湾経済部が推進する「品牌一條街」と旗山の「金蕉一條街」

台湾では現在、経済部商業發展署が主導し、地域の特色ある商業通りを育成する「品牌一條街(ブランド一条街)」事業が各地で展開されています。通りごとに固有の文化や産業を見出し、「一街一特色」としてブランド化を後押しする施策です。

その事業の一環として旗山で推進されているのが、「金蕉一條街」の取り組みです。「金蕉」とは台湾でバナナを意味する言葉であり、街を代表する特産品そのものを冠しています。

ここで注目したいのは、バナナという青果をそのまま売るだけに留めていない点です。金蕉一條街では、共同ブランドの推進、特色イベントの企画、観光体験の創出、そして地域の店舗間連携という複数の施策が重なり合って進められています。

旗山の歴史的な街並みには、日本統治時代からの建築や特徴的な石拱圈亭仔腳(アーチ状の回廊)が残されており、そうした空間を背景に、バナナアイス、バナナエッグロール(香蕉蛋捲)、バナナケーキ(香蕉蛋糕)といった加工菓子を扱う店舗が軒を連ねています。農産物を「買う」体験から、「バナナをきっかけに街を訪れ、歩き、地域で消費する」体験へと広げる設計がなされていることがうかがえます。


同時開催の「バナナ文化祭」に見る、多面的な地域資源化

国際食旅祭と同じ9月26日・27日には、旗山体育場周辺にて「バナナ文化祭(香蕉文化節)」も同時開催されました。

この文化祭では、農家が品質を競い合う「香蕉品質評鑑」をはじめ、小規模生産者が集う小農市集、農産品を身近に知る体験、さらには農村文化を学ぶガイドツアーや農業をテーマにした映像上映など、多彩なプログラムが実施されました。加えて、キャラクターを活用したIP文創品(知的財産を活用した文化クリエイティブ商品)の開発も進められています。

単に「美味しい果物」としてPRするだけでなく、一次産業としての農業、歴史、食文化、観光、さらにはキャラクター展開までをバナナという一本の軸で束ねることで、地域資源を多面的に編集する姿勢が見て取れます。


特産品同士が響き合う「旗山×沖縄 国際食旅祭」

今回開催された「2026旗山×沖縄 国際食旅祭」も、一般的な国際友好イベントにとどまらない、食と農を通じた地域交流としての特徴を備えていました。

会場では、沖縄の代表的なブランドと旗山および東高雄の特色ある店舗が一堂に会する「台日双城職人市集」が開かれ、沖縄商品の販売ブースが設けられました。さらにステージでは津軽三味線や台湾原住民族楽団による演奏など、双方の文化を紹介し合う交流が行われました。

とりわけ象徴的であったのが、台湾と日本の食材を組み合わせた台日限定コラボ料理の披露です。会場では、旗山が誇るバナナと沖縄の特産である黒糖を融合させたメニューが紹介されました。

お互いの土地に根ざした代表的な地域産品を持ち寄り、一つの料理として再解釈すること。それは、互いの食文化への敬意を示すとともに、地域間の新たな接点をつくる試みとしても見ることができます。


日本の地域事業者にもつながる「横の連携」という問い

旗山の取り組みは、日本の地域づくりや個店の活動にとっても多くの示唆を含んでいるように感じられます。

私たちが拠点を置く東村山市・小平市・東大和市をはじめ、日本各地には豊かな農産物、熱心な飲食店や和洋菓子店、独自の魅力を持つ個人商店、そして土地の歴史や自然文化といった素晴らしい地域資源が数多く存在しています。

しかし、それぞれの事業者や資源が個別で魅力を発信しているだけでは、地域外から人を呼び込む力になりにくい場面も少なくありません。

「一つのテーマや特産品を起点に、複数の事業者や場所を横につなぐことで、『その街を訪れて歩く理由』をつくり出せるのではないでしょうか。」

旗山の事例は、新しい名所を一から建設するのではなく、すでに地域にある歴史や店舗、農業を「一つの物語」で結び直すことの可能性を提示してくれています。


台湾ビジネス事業部より

まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部では、「台湾の魅力が、ここに集まる。」をコンセプトに、台湾の文化や産業動向の発信、日台をつなぐ対話支援を行っております。

台湾産品の日本向けPRや展示会での商談支援をはじめ、日本と台湾の地域・企業間の交流や事業連携、ビジネス通訳・繁体字翻訳など、双方の背景を尊重した丁寧なコミュニケーションをお手伝いいたします。台湾との協業や情報収集に関心がございましたら、まずはお気軽にご相談くださいませ。

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ご相談方法:当社Webサイトのお問い合わせ窓口よりお気軽にご連絡くださいませ。


・台湾経済部商業発展署|高雄旗山・金蕉一條街
・台湾経済部商業発展署|「品牌一條街」事業紹介
・高雄市政府|「2026夏祭新鮮市」・旗山×沖縄国際食旅祭
・高雄市政府新聞局|2026香蕉文化節プログラム


基本情報

名称まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部
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