地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

東村山市・小平市・東大和市の地域情報サイト「まいぷれ」東村山市・小平市・東大和市

台湾では「移動」そのものが観光に――7つの観光列車が地域へ人を運ぶ仕組み

まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部

台湾の今を、日本へ。

まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部でございます。当事業部では、台湾の企業・商品・文化を日本へご紹介するとともに、地域や企業の皆さまをつなぐ相談窓口として活動しております。

連載「台湾の今」では、現地で起きている新しい動きを取り上げ、その背景にある仕組みや、日本の地域・事業者にもつながる視点とともにご紹介してまいります。

「台湾旅行」と聞くと、台北の街並みや活気あふれる夜市、あるいは九份などの著名観光地を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし今、台湾では単に目的地を訪れるだけでなく、そこへ向かう「移動時間」そのものを観光体験に変え、地方へ旅行者を運ぶ取り組みが広がっています。

今回は、日本の旅行博でも注目を集めた台湾の観光列車を起点に、移動手段がどのように地域経済と結びついているのか、その仕組みに迫ります。


台湾大手「雄獅旅遊」が東京の旅行博へ単独初出展

2026年9月24日、東京で開幕した「2026日本旅展(ツーリズムEXPOジャパン)」において、台湾の旅行大手・雄獅旅遊(Lion Travel)が初めて単独ブースを出展いたしました。

雄獅グループにとって、海外の旅行博へ単独出展すること自体が初の試みとなります。日本市場を単に「台湾人旅行者を送り出す先」として捉えるだけでなく、日本国内の旅行需要や、日本から台湾・世界へ向かう旅行者を迎える市場として捉え、本格的な発信を強化している点に大きな戦略的転換がうかがえます。

その出展ブースで中核としてアピールされたのが、台湾鉄路(台鉄)などとともに展開している「7大観光列車」でした。


移動そのものが旅になる「7つの観光列車」

台湾で展開されている7大観光列車は、単なる移動の足にとどまらず、それぞれに明確なテーマ性と地域性が設計されています。

【主な観光列車のラインナップ】

  • 鳴日号(The Future)
    洗練された美学と上質なサービスを融合させた高級観光列車。台湾全土の美しい鉄路を巡ります。
  • 鳴日厨房(The Moving Kitchen)
    「走る高級レストラン」として、列車内で本格的なフルコースを提供する移動型ダイニングです。
  • 藍皮解憂号(Breezy Blue)
    懐かしいレトロ車両を復元し、窓を開けて南台湾の潮風を感じながらノスタルジックな旅を楽しむ列車です。
  • 海風号・山嵐号
    沿線の美しい海や豊かな山並みの自然景観を存分に味わうために設計された観光列車です。
  • 福森号(Formosensis)
    阿里山ヒノキを活用したクラシックな木造車両で、嘉義から阿里山へと向かう森林鉄道の魅力を伝えます。
  • 栩悦号(Vivid Express)
    阿里山森林鉄路を舞台に、鮮やかな車両デザインと阿里山の自然景観を組み合わせた観光列車です。

これらの列車に共通しているのは、列車に乗ること自体が旅の主目的となるよう、車両デザインや車窓の演出、車内での体験が綿密に組み立てられている点です。


車内で地域の食や文化を味わう「体験の編集」

特に象徴的なのが、「鳴日厨房」をはじめとする食の取り組みです。

車内で提供される食事は、単にお弁当を配るようなものではございません。台湾各地の食材や地域の特色を取り入れたメニューが提供され、通過する土地の食文化や物語を、舌と車窓の風景の双方から同時に味わえる設計がなされています。

「交通」という既存のインフラの上に、「地域の食」「景観」「文化」という地域資源を重ね合わせることで、移動時間を豊かな体験へと昇華させています。

雄獅旅遊の2024年サステナビリティレポートによると、同社が展開する鉄道旅行サービスは2024年に8万7,000人以上が利用いたしました。雄獅旅遊の鉄道旅行事業は、すでに多くの旅行者が利用する観光商品へと成長していることがうかがえます。


なぜ観光列車が地域経済につながるのか

この取り組みにおいて地域振興の観点から注目したいのは、「著名観光地に偏りがちな旅行者を、中部・南部・東部などの地方へ自然に誘導できる」点にあります。

台北などの大都市を中心に旅していた旅行者にとって、魅力的な観光列車が地方を訪れる新たなきっかけになります。そこから次のような経済循環が生まれます。

【地域への経済波及の流れ】

  • 交通:移動体験そのものに付加価値が生まれ、地方路線へ人が乗車する
  • 地域の食:車内メニューや沿線飲食を通じて、地元農産物や名産品が消費される
  • 景観・文化:途中下車や沿線観光によって、地域の歴史や自然に光が当たる
  • 地域での消費:駅周辺の商店での買い物、宿泊、体験プログラムへの参加へと広がる

大がかりなテーマパークや新しい観光施設をゼロから建設しなくても、「既にある鉄路」と「既にある地域の魅力」をつなぎ直すことで、地域での消費につなげる取り組みの一例といえます。


北多摩の地域づくりへの示唆――すでにあるものをつなぎ直す

この台湾の事例は、日本の地域交通や街づくりを考える上でも、多くの示唆を与えてくれます。

私たちの拠点がある東村山・小平・東大和を含む北多摩エリアにも、西武鉄道各線や多摩モノレールといった生活に欠かせない交通網が網の目のように広がっています。また沿線には、豊かな農地や地場野菜、歴史ある酒蔵、個性豊かな個人商店や四季折々の自然文化が息づいています。

台湾の事例は、「北多摩でも同じように豪華な観光列車を走らせよう」という話ではございません。

「私たちの地域でも、新しい観光地をつくることだけが観光ではないのかもしれません。普段使っている鉄道やバス、地域のお店、食、文化をつなぎ直すことで、新しい日常の楽しみ方が生まれるのではないでしょうか。」

すでにある交通を「移動の道具」としてだけでなく、「地域の魅力を巡る体験の糸」として見立て直すこと。台湾の観光列車の挑戦は、地域資源を編集して新しい価値を生み出す大切さを、私たちに静かに問いかけてくれています。


台湾ビジネス事業部より

まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部では、「台湾の魅力が、ここに集まる。」をコンセプトに、台湾の文化や産業動向の発信、日台をつなぐ対話支援を行っております。台湾の最新事例や現地企業との連携に関心がございましたら、まずはお気軽にご相談くださいませ。

【お問い合わせ】
受付時間:9:00〜17:00(土日祝日含む)
ご相談方法:当社Webサイトのお問い合わせ窓口よりお気軽にご連絡くださいませ。


【参考情報】
本記事は、台湾の公的機関および関係機関・報道機関が公表している情報をもとに作成しています。
・中央通訊社 2026年9月24日報道
・雄獅旅遊 公式資料/2024年サステナビリティレポート


基本情報

名称まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部
フリガナマチノネゴウドウガイシャ タイワンビジネスジギョウブ
住所187-0023 小平市上水新町1-17-18
営業時間詳しくはお問い合わせください
支払い方法現金払いのみ
問い合わせページ外部サイトに繋がります
こだわり

口コミ

このお店・施設に行ったことがありますか?あなたの体験や感想を投稿してみましょう。

まいぷれ[東村山市・小平市・東大和市] 公式SNSアカウント