まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部
台湾の今を、日本へ。
まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部でございます。当事業部では、台湾の企業・商品・文化を日本へご紹介するとともに、地域や企業の皆さまをつなぐ相談窓口として活動しております。
連載「台湾の今」では、台湾で起きている新しい動きや日本と台湾をつなぐ取り組みを取り上げ、その背景にある仕組みや、日本の地域・事業者にもつながる視点とともにご紹介してまいります。
今回は、台湾のブランドが日本市場へ進出する際の「その先」に注目いたします。
2026年9月、台湾の文化・クリエイティブブランド16社が、日本の実際の小売流通に入り、商品を販売する「TAIPEI corners 2026」の日本展開が始まりました。
注目したいのは、単なる台湾フェアや短期間の展示会出展にとどまらない点です。台湾ブランドを日本で「紹介する」だけでなく、日本の売り場で実際に販売し、消費者の反応を確かめながら、継続的な販路へつなげようとする実践的な挑戦が進められています。
台湾の16ブランドが日本の「売り場」へ展開
「TAIPEI corners」は、台湾文化部と台北市政府文化局の共同指導のもと、松山文創園区が実施する「台北市文化クリエイティブ産業育成プロジェクト」です。
2026年は5月にマレーシアの「クアラルンプール・イラストレーションフェア(KLIF)」へ出展し、続くアジア国際販路開拓の第2弾として、台湾の文化・クリエイティブブランド16社が日本へ進出いたしました。
今回の展開先は、東京と神戸の4つの販路です。
東京では2026年9月16日から10月16日まで展開し、その後10月20日から11月3日まで神戸へ巡回いたします。百貨店、書店、カルチャーエリアなど、性格の異なる売り場で実際に商品を販売することで、それぞれの客層や市場の反応を丁寧に確かめていく設計となっております。
「展示会に出る」から「流通に入る」への戦略転換
今回の取り組みで特に興味深いのは、TAIPEI cornersが日本市場へのアプローチそのものを進化させている点です。
台北市政府文化局によると、2024年から、それまでの単発・短期間の展示会出展を中心とした方式から、日本の流通と直接つながる「通路扎根(販路への定着)」型へと戦略を転換しています。
展示会で商品を知ってもらうことと、その商品が実際に日本の売り場に並び、継続して購入されることは同じではありません。そこでTAIPEI cornersでは、実際の小売現場で販売することで、消費者の反応や客層、流通の仕組みをブランド側が直接理解できる機会をつくっています。「日本で紹介された」という実績にとどまらず、「日本市場でいかに売るか」を検証する段階へと踏み込んでいるのです。
商品力だけでなく、実務面の準備を整える重要性
さらに注目されるのは、支援の対象が商品のPRだけにとどまらないことです。海外市場へ商品を届けるためには、商品の魅力とは別に、さまざまな実務上のハードルが存在します。
TAIPEI cornersでは、国際貿易に関する法規制、通関・物流、売上金の精算といった課題に対して専門事業者とのマッチングを行うほか、ブランドごとの市場コンサルティングも実施しています。そこでは、日本市場に合わせた価格戦略、パッケージの規範、ブランドの伝え方なども細かく確認されています。
良い商品をつくることと、その商品を海外市場へ継続的に届けること。その間には、「価格」「物流」「パッケージ」「売り場」「伝え方」など、いくつもの実務的な橋を架ける必要があることが分かります。
なぜ「販売実績」が重要なのか
もう一つ、今回の取り組みで示唆深いのは、日本の主要な販路で実際の販売実績をつくるという明確な意図です。
台北市政府文化局は、こうした現場での販売実績を積み重ねることが、バイヤー側が商品を採用する際の判断材料を増やし、将来的な大型チェーンへの導入や卸売注文につながる可能性を高める狙いを示しています。
海外進出というと、大規模な展示会への出展や商談会への参加が注目されがちです。しかし、その後に「どこで売るのか」「誰が買うのか」「どの価格なら受け入れられるのか」「継続して取り扱ってもらえるのか」まで検証していくプロセスこそが、市場への定着を考えるうえで、重要なプロセスの一つといえます。TAIPEI cornersの取り組みは、その定着プロセスまで視野に入れて設計されている点に大きな特徴がございます。
日本の地域ブランドにも通じる視点
この取り組みは、台湾ブランドの日本進出に限った話ではございません。日本の地域にも、食品、工芸品、雑貨、デザイン商品など、地域の背景や物語を持った素晴らしい産品が数多くあります。
それらを地域外や海外へ届けようとした際、「イベントに出展する」ことは最初の貴重な接点となります。しかし、その先で実際の市場に定着していくためには、現地の消費者や売り場を深く知り、商品の見せ方や価格設定、物流、パッケージなどを現地市場に合わせて調整していく必要があります。
今回のTAIPEI cornersは、「海外へ紹介すること」と「海外で売り続けること」の間に何が必要なのかを考える上で、日本の地域事業者にとっても大いに示唆に富む参考事例といえそうです。
台湾ビジネス事業部へのご相談について
まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部では、「台湾の魅力が、ここに集まる。」をコンセプトに、台湾の商品・ブランド・文化と日本市場をつなぐ取り組みを行っております。
台湾の商品を日本で紹介したい場合、単に商品情報を翻訳するだけでは、日本の消費者や事業者にその本質的な価値が十分に伝わらないことがございます。その背景にある文化や地域性、ものづくりの物語を丁寧に整理し、日本市場に届く形へと整える伴走が不可欠です。
当事業部では、主に以下のようなご相談を承っております。
「台湾の商品を日本へ届けたいけれど、何から始めればよいか分からない」「展示会への出展後、日本市場への定着をどう進めればよいか相談したい」といった初期構想の段階から、丁寧にお話をお伺いいたします。どうぞお気軽にご相談くださいませ。
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【参考情報】
本記事は、台湾の公的機関および関係機関が公表している情報をもとに作成しています。
・台北市政府文化局「臺北風格在東京!TAIPEI corners 領軍16家臺灣文創品牌前進東京」
・台北市文化基金会 松山文創園区「TAIPEI corners 2026 アジア国際販路開拓プロジェクト」
| 名称 | まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部 |
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