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台湾茶は、こんなにも表情を変える──阿里山発の台湾茶ブランド「漫山(MANSANH)」が伝える、発酵と焙煎の世界

まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部

まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部でございます。CafeRes Japan 2026 台湾館で出会った台湾企業をご紹介する本シリーズも、第4回となりました。これまで、台湾コーヒーの「竹梅源(True Mei Yuan)」、環境配慮型包装の「鍵發生技(CF Bio-Tech)」、奇萊山の高山茶づくりに取り組む「茶半解農場」をお届けしてまいりました。


第4回となる本日は、阿里山を起点とする台湾茶ブランド「漫山(MANSANH)」をご紹介いたします。一つのブランドのラインアップを通じて、台湾茶が「発酵」と「焙煎」という二つの軸によって、どれほど多様な表情を見せるのかという視点をお伝えいたします。


なお、本記事で用いる「阿里山発」という表現は、漫山が「From Alishan, Taiwan.」と掲げていることに基づき、阿里山をブランドの出発点としていることを示すものでございます。漫山の商品すべてが阿里山産であることを意味するものではなく、文山包種や木柵鉄観音など、名称自体が他地域の歴史と結び付く茶もラインアップされております。


本記事は、特定の商品や取引を直接おすすめするものではございません。展示会での対話と漫山自身の公開情報をもとに、日本の企業の皆さまが台湾茶を考える際の一つの手がかりをお届けすることを目的としております。



阿里山を起点とする台湾茶ブランド「漫山(MANSANH)」


漫山(MANSANH)は、ブランド紹介において「From Alishan, Taiwan.」という言葉を掲げております。台湾・阿里山をブランドの出発点とし、その自然環境や時間の流れの中で育まれる台湾茶を軸にしていることを示す表現でございます。


公式情報では、漫山は次のような思想を語っております。すなわち、「良いお茶には過度な装飾は必要ない。土地(土壌や気候)の本質、茶葉そのものの香り、時間が重ねていく層や奥行きを忠実に保ちたい」という趣旨でございます。パッケージや世界観についても、華美な意匠よりも、飲み手が落ち着いてお茶そのものと向き合えるような在り方を目指していることがうかがえます。


ブランド名「漫山」は、茶の香りが山々のあいだへゆっくりと広がっていく情景や、土地と調和しながら暮らす穏やかな日常を表す名称であると説明されています。私どもは、この名前に、高山の自然を「征服する対象」としてではなく、その懐に身を置きながら香りの広がりを見つめるまなざしが込められているように感じております。

第3回でご紹介した茶半解農場は、「奇萊山」という特定の土地と、一つの農場の栽培方針・理念を縦方向に掘り下げる記事でございました。一方、漫山は、阿里山を起点としながら、複数の台湾茶カテゴリーを横断的に展開するブランドであり、本記事では「発酵・焙煎・台湾茶の多様性」を横方向に見る視点に重心を置いてまいります。


高山烏龍だけでは見えない、漫山のラインアップ


台湾茶と聞くと、高山烏龍茶をまず思い浮かべる方も多いかと存じます。しかし、漫山のカタログを開いてみますと、そこには高山烏龍だけではない、多様な台湾茶の姿が並んでおります。


漫山自身の公開情報によりますと、同ブランドでは、雲嶺烏龍・霧嶺烏龍・花嶺烏龍・夕日紅烏龍・紅玉紅茶・雲嶺紅茶・文山包種・凍頂烏龍・GABA茶・木柵鉄観音・東方美人茶・白茶など、複数の茶種が紹介されております。青・紅・緑・黒・匠蔵といったシリーズ名とともに、烏龍茶、包種茶、紅烏龍、紅茶、鉄観音、東方美人茶、白茶、GABA茶など、台湾茶の主要なカテゴリーが一つのブランドの中に収められている構成でございます。


文山包種・凍頂烏龍・木柵鉄観音・東方美人茶といった名称は、台湾茶全体としては、それぞれ特定地域や歴史的なスタイルと結び付いて語られてきたお茶でございます。一方で、近年は「産地名」であると同時に「スタイル名」としても用いられることがあり、どの地域の茶葉をどのような配合で用いるかは、各ブランドごとに異なります。


漫山の公開情報からは、すべての商品の具体的な産地や茶樹品種を一律に確認することはできません。そのため、本記事では、漫山が阿里山をブランドの起点としつつも、台湾各地と結び付きのあるスタイルの茶を横断的にラインアップしているという事実にとどめ、個別商品の産地を推測で語ることは控えたいと存じます。


私どもとしては、漫山のカタログを見ていくことで、阿里山をブランドの出発点としながら、台湾茶全体のカテゴリーの広がりにも触れられるように感じております。



発酵度と焙煎度──漫山が示す二つの軸


漫山のもう一つの特徴は、商品ごとに「発酵度」と「焙煎度」を段階的に示している点でございます。カタログや資料上では、数段階のレベルやアイコンを用いて、「このお茶は発酵度が高めで焙煎度は穏やかである」「こちらは発酵度が中程度で焙煎度もしっかりしている」といった相対的な位置付けが視覚的に示されております。


台湾茶全体に関する一般的な説明として申し上げますと、発酵度は茶葉中の成分が酸化・変化していく度合い、焙煎度は乾燥した茶葉にどの程度火を通すかの度合いを指し、いずれも香りや味わい、水色に影響を与える要素とされています。ただ、本記事は台湾茶の講義ではございませんので、詳細な化学的説明には立ち入りません。


ここでお伝えしたいのは、漫山が発酵度と焙煎度を明示することで、台湾茶にまだ馴染みの少ない方にとっても、「台湾茶を、産地名だけでなく、発酵と焙煎という二つの軸から比較しながら見ることができる」という入り口を用意しているという点でございます。


第3回の記事では、「台湾茶は産地だけでは語れない。産地+農場+考え方まで見る」という視点を、茶半解農場という一つの農場を通じてご紹介いたしました。第4回となる本記事では、同じ台湾茶を、「発酵度」と「焙煎度」、そしてカテゴリーの違いという横方向の軸から見ていくことで、別の側面からその多様性を捉えてみたいと考えております。


四つのお茶から見る、台湾茶のさまざまな表情


漫山のラインアップは多岐にわたりますが、本記事では、その中から代表的な四つのお茶に絞り、漫山自身の説明に基づきながら、発酵と焙煎によって生まれる表情の違いに触れてまいります。


雲嶺烏龍

雲嶺烏龍について、漫山の資料では、発酵度・焙煎度はいずれも中程度の段階に示されており、花や果実を思わせる香りと、飲みやすいバランスの取れた味わいが説明されております。具体的な数値や工程は公表されておらず、発酵度・焙煎度ともに中ほどに位置付けられている烏龍茶であることが分かります。


文山包種

文山包種は、漫山の表記によりますと、発酵度・焙煎度ともに比較的低い段階に示されております。香りについては、繊細な花の香りや爽やかさが強調されており、水色も淡く軽やかな印象として紹介されております。漫山自身が、雲嶺烏龍と比べてより軽やかな方向に位置付けていることが、発酵度・焙煎度の段階表記から読み取れます。


東方美人茶

東方美人茶については、漫山の資料上、発酵度が高めの位置に示され、蜂蜜や熟した果実を思わせる甘い香りと、まろやかな口当たりが説明されております。焙煎度の具体的な段階や工程は公開情報の範囲では確認できませんが、発酵による香りの変化を大切にしたスタイルとして紹介されている印象でございます。


紅玉紅茶

紅玉紅茶は、漫山の表記上、発酵度が最大に近い段階に位置付けられ、紅茶としてのしっかりとしたコクと甘みが説明されております。水色についても、深みのある紅色の茶湯として紹介されており、烏龍茶とは異なるカテゴリーとしての存在感が示されています。焙煎度については、商品ごとの表記に従う必要がございますが、漫山の説明からも、烏龍茶とは明確に違う方向性のお茶として扱われていることが伝わってまいります。


雲嶺烏龍、文山包種、東方美人茶、紅玉紅茶の四つを並べて眺めますと、漫山のカタログの中に、軽発酵・軽焙煎から高発酵・紅茶系まで、発酵度と焙煎度の幅が明確に描かれていることがわかります。本記事では、それぞれのお茶の詳細なスペックや味わいの細部までは立ち入りませんが、一つのブランドの中に、これほど発酵と焙煎のバリエーションが並んでいるという事実そのものが、台湾茶の多様性を物語っているように感じられます。



日本の企業の皆さまへ──台湾茶を「発酵と焙煎」で見るという視点

本記事を通じてお伝えしたかったのは、漫山というブランドそのものを商品カタログとしてご紹介することではなく、「一つの台湾茶ブランドのラインアップを通じて、発酵と焙煎によって台湾茶がさまざまな表情を見せることが見えてくる」という視点でございます。


茶半解農場の記事では、「産地+農場+考え方」という縦方向の軸から台湾茶を見てまいりました。漫山の記事では、「発酵+焙煎+カテゴリーの違い」という横方向の軸から台湾茶を眺めることで、同じ台湾茶でもまったく異なる側面が立ち上がってくることを感じていただけましたら幸いでございます。


日本の茶専門店、小売店、飲食店、ホテル、ギフト関連事業者の皆さまが台湾茶を検討される際には、産地名や高山茶というイメージだけではなく、発酵度・焙煎度・カテゴリーの違いまで含めて、どのような一杯をお客様にお届けしたいのかを考えるきっかけとして、漫山のようなブランドのラインアップをご覧いただくことも一つの方法ではないかと感じております。


繰り返しになりますが、本シリーズは特定の商品や取引を直接おすすめするものではございません。CafeRes Japan 台湾館での対話と公開情報を基に、「台湾にはこのように発酵と焙煎の違いまで意識しながら台湾茶の多様性を伝えようとしているブランドがある」という事実をお伝えすることで、日本の皆さまが台湾茶や台湾ブランドと向き合う際の一助となればと考えております。



「台湾の魅力が、ここに集まる。」ご相談の入り口として


まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部は、「台湾の魅力が、ここに集まる。」をコンセプトに、台湾企業・台湾ブランド・台湾商品の背景と魅力を、日本企業の皆さまへ丁寧にお届けしてまいります。


台湾茶や台湾茶ブランドに関心をお持ちでも、「どの企業の情報をどこから集めればよいか分からない」「発酵や焙煎の違いまで含めて、どのように選べばよいか迷っている」「台湾企業とどのように対話を始めればよいか不安がある」とお感じになる場面も多いかと存じます。


当事業部では、台湾企業との商談や販路開拓、展示会・商談会への参加支援、通訳・翻訳を含むコミュニケーション支援など、台湾とのビジネスに関するご相談を承っております。お問い合わせは、当社Webサイトのお問い合わせフォームにて受け付けております。受付時間やご返信の目安につきましても、Webサイト上にてご案内申し上げておりますので、詳細はそちらをご参照くださいませ。


台湾茶に限らず、台湾企業・台湾ブランド・台湾商品の姿勢や背景を丁寧にお伝えしながら、日本企業の皆さまと台湾側とのあいだに、落ち着いた対話の場をひらくこと。それが、まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部の役割であると考えております。


これからもCafeRes Japan 台湾館で出会った企業を一社ずつ取り上げ、それぞれの企業だからこそ伝えられる台湾の魅力を丁寧にお届けしてまいります。台湾との新たな可能性をお考えの際は、どうぞお気軽にご相談くださいませ。


基本情報

名称まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部
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