まちの達人特集
(更新)
公文式鷹の台教室 菅優月先生
「子どもの頃は、教員には絶対にならないと思っていました。」
そう穏やかに笑うのは、公文式鷹の台教室の菅先生です。
今では地域の子どもたちと向き合い、「学ぶことの楽しさ」を伝える教育者。しかし、その道を目指していたわけではありませんでした。教員の母の背中を見て育ち、「あんなに大変な仕事には就かない」と思っていた少女が、なぜ教育の世界へ進んだのでしょうか。
その歩みを伺いました。

菅先生は、小学生の頃は「とても真面目な子どもだった」と振り返ります。夢中になっていたのはソフトボール。小学4年生から中学2年生まで打ち込み、仲間と汗を流す日々を過ごしました。
一方で、家庭では少し早く自立する環境でもありました。
お父様は朝早くから夜遅くまで働き、お母様は教員として忙しい毎日。年の離れた弟妹もいたため、おばあ様に見守られながらも、洗濯やお風呂の準備など、自分のことは自分でこなしていたそうです。そんなお母様の姿を見ていたからこそ、当時はこう思っていました。
「教員には絶対にならない。」
生徒を第一に考え、土日も部活動、夜遅くまで仕事をする母の姿は尊敬していた一方で、「大変そう」「寂しい」という気持ちもあったといいます。
転機は大学時代に訪れます。先輩に誘われて始めたアルバイトが学習塾でした。ところが、そこで感じたのは違和感でした。
「個別指導と言いながら、一人ひとりを十分に見られていないように感じたんです。見るなら、しっかりその子と向き合いたいと思いました。」
その経験をきっかけに、「教育とは何だろう」と考えるようになります。教育関係のインターンシップにも参加し、学校だけが教育ではないことを知りました。「先生」という肩書ではなく、「子どもの成長に関わる仕事」がしたい。その想いが少しずつ形になっていきます。

公文式鷹の台教室
もともとは、自分で学習塾を開きたいという夢がありました。しかし、教育だけでなく教室運営も学びたい。そう考え、公文式という環境を選びます。決め手は、一人ひとりに合わせた学習ができることでした。学年ではなく、その子に合った教材、その子に合った進度。
「一人ひとりに合わせて柔軟に指導できるところに魅力を感じました。」
それは、大学時代に抱いた「もっと一人ひとりを見たい」という想いと重なっていました。

一人ひとりへの個別レポート
教室を任されてからは、想像以上に大変な毎日でした。約70人の生徒を受け持ち、一人ひとりの名前や特徴、教材の進み方を覚えるだけでも一苦労。授業が終わってからも教材準備や確認が続き、終電近くまで教室に残ることも珍しくありませんでした。
「苦労しかなかったですね。」
そう笑いますが、その一言には当時の忙しさが詰まっています。
毎日、一人ひとりと向き合い続けることの積み重ねでした。
続けてこられた原動力は何だったのでしょうか。
「スタッフさんが本当に支えてくれています。そして、生徒たちの笑顔ですね。」
そんな姿を見るたびに、この仕事を続けていて良かったと思うそうです。
特に印象に残っているのは、最初は目も合わせてくれなかった子が、少しずつ自分の話をしてくれるようになったこと。勉強だけではなく、人として信頼してもらえた瞬間だったのかもしれません。だからこそ、子どもたちとの関わりで一番大切にしているのは、「その子のためになるかどうか」。励ました方がいい子もいれば、少し見守る方がいい子もいる。一人ひとり違うからこそ、関わり方も変わります。
「教員にはならない。」
そう思っていた少女は、教育の道を歩み始めました。
そして今、一番応援してくれているのがお母様です。教室に置かれている「ふんばるず」のぬいぐるみも、お母様からのプレゼント。教育について相談することもあるそうです。
また、これまでには地元・愛知を離れ、広島や福島、宮崎、新潟などで過ごした時期もありました。将来を模索する中で、お母様にはたくさん心配をかけたと振り返ります。だからこそ今、教育について語り合える親子の関係になれたことを、とても嬉しく感じているそうです。

ふんばるず
最後に、こんな質問をしました。
「菅先生にとって、『学ぶ』とは何ですか?」
少し考えたあと、こんな答えが返ってきました。
「自分の未来、そして誰かの未来を少しでも良くするために、自分を更新し続けることだと思っています。」
学ぶことで、「どうしたらできるようになるだろう」と考える力が育つ。
物事を一つの角度だけではなく、多角的・多面的に捉えられるようになる。
その積み重ねが人生の選択肢を広げ、自分だけでなく、誰かの未来も豊かにしていく。
そして、菅先生にはもう一つ願いがあります。
「どんな人でも夢や目標を持つことができて、それを周りが応援できる社会になってほしい。」
そのために、これからは教室でも学習だけにとどまらず、地域でさまざまな学びに触れられるイベントなどにも挑戦していきたいと話してくださいました。
「学校の勉強だけが学びではありません。学ぶことって、本当は楽しいことなんです。」
その言葉には、子どもたちへの温かな願いが込められていました。
「教員にはならない。」
そう思っていた少女は、自分だけの教育を見つけました。教室には、お母様から贈られた「ふんばるず」が並び、今日も子どもたちを静かに見守っています。学ぶことは、自分を更新し続けること。その想いは今日も、一人ひとりの子どもたちへ、少しずつ受け継がれているのでしょう。
今回の取材で印象に残ったのは、「勉強ができるようになること」ではなく、「自分で考えられるようになること」を大切にしている姿勢でした。子どもの頃は教員にはならないと決めていた菅先生が、自分なりの教育を探し続けた末にたどり着いた答えが、「一人ひとりに寄り添い、その子の未来を信じること」だったのだと感じます。
夢や目標を持つ人を応援できる社会をつくりたい。
その想いは、公文式鷹の台教室で子どもたちと向き合う日々の中に、静かに息づいていました。
取材を終えて率直に思ったのは、「もし私が子どもの頃に近くにこんな先生がいたら、ここで学んでみたかった」ということです。
勉強を教えるだけではなく、一人の人として向き合い、「自分で考える力」を育てようとする菅先生。その姿勢は、子どもたちだけでなく、保護者の皆さんにとっても心強い存在なのではないでしょうか。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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