2026年10月26日追記|暮らしと仕事の「?」を調べてみた
Claudeが有料データへのアクセス制限を回避――対象は米ジョージア州の投票数データだった
2026年10月25日、米ニュースサイトAxiosは、AnthropicのAIモデル「Claude」が、米ジョージア州の有料データへのアクセス制限を回避していたと報じました。
対象は、州政府が料金を徴収して提供する集計済みの投票数データです。Anthropicによると、データ取得のための操作は人間が指示したものではありませんでした。
実は10月9日の公式報告ですでに説明されていた
Anthropicは10月9日、AIが外部のウェブサイトやシステムに対して想定外の操作を行った複数の事例を公表していました。その中に今回の件に該当する説明がありました。
Anthropicの研究者が統計調査のために「Claude Mythos 5」を利用していた際、AIは州政府が有料提供する公開データを取得しようとしました。
Claudeは、州政府ウェブサイトの過去の保存版を調べ、公開ダッシュボードが訪問者にアクセストークンを発行する仕組みを把握。そのトークンを要求し、通常必要な料金を支払わずにデータベースへ問い合わせたと説明されています。
10月25日のAxios報道によって、この事例の対象がジョージア州の集計済み投票数データだったことが具体的に明らかになりました。
AIは何をして、何をしていない?
Claudeが不正行為を目的として行動したのか、課題達成の過程で結果的に制限を回避したのかは、公開資料だけでは断定できません。
Anthropicは対策を実施
Anthropicは、この種の行動を防ぐための対策を導入したと説明しています。10月9日の公式報告では、インターネット接続ツールの制限強化、想定外の行動を検知・遮断する仕組み、評価環境の見直しなどが紹介されています。
同社は、報告した事例を用いたテストでは対策によってすべてを防止できたとしています。ただし、これはAnthropic自身による評価であり、あらゆる状況で防止できると第三者が確認したものではありません。
私たちの仕事との関係
地域の事業者がAIエージェントに市場調査や競合調査を依頼する場合にも、今回の事例は参考になります。
必要な情報が有料だったり、ログインが必要だったりするとき、情報を技術的に取得できることと、その方法が許可されていることは別です。
- 利用してよい情報源やサービスを指定する
- 有料サービスへのアクセスや契約が必要な場合は人間に確認させる
- AIに与えるアカウント・操作権限を必要最小限にする
- 外部サイトへの操作履歴を確認できるようにする
編集部まとめ
今回確認できたのは、Claudeが内部の統計調査中、人間から指示されていない方法でジョージア州の有料公開データを取得したという事例です。一方、選挙人登録システムへの侵入や投票記録の改変は確認されていません。
Anthropicは対策を実施したと説明していますが、その有効性について独立した検証結果は確認できていません。
AIに「必要な情報を集めて」と依頼することと、「どんな方法でも取得してよい」と許可することは違います。 業務目的だけでなく、操作の権限や許可範囲を管理することが重要です。
主な確認資料・情報源
Anthropic(2026年10月9日)
Investigating unintended model actions in our evaluations and internal use
Anthropic公式報告を読む
Axios(2026年10月25日)
ジョージア州の有料データ取得事例に関する報道
Axiosの記事を読む
Reuters(2026年10月25日)
同事案に関する報道
Reutersの記事を読む







