暮らしと仕事の「?」を調べてみた
(更新)
他社製AI製品も撤去対象に

図:公開資料をもとに編集部作成(生成AIを使用)
暮らしと仕事の「?」を調べてみた|まいぷれ東村山・小平・東大和編集部
命令発出:2026年7月24日|連邦官報掲載:2026年10月20日|資料確認:2026年10月21日
普段使っているAIサービスが、実は別の会社のAI技術を利用しているとしたら、その安全性はどこまで確認できるのでしょうか。
2026年10月20日、米国の連邦官報に、中国のAI企業DeepSeekに関する排除・撤去命令が掲載されました。
命令を出したのは米国国土安全保障省(DHS)です。連邦政府の文民行政機関に対し、DeepSeekと関連企業が開発した製品・サービスを新たに調達しないこと、既存の情報システムから対象製品を撤去することを求めています。
注目したいのは、DeepSeek自身が提供する製品だけでなく、DeepSeekの技術を利用して開発された第三者の製品・サービスも、既存システムからの撤去対象として明記されたことです。
ただし、これはDeepSeekを利用したすべてのAI製品に危険があると科学的に証明されたという意味ではありません。米政府の公式文書から、命令の内容と背景にある考え方を確認します。
今回のニュースは、10月20日に突然新しい使用禁止命令が出されたというものではありません。
署名入り命令書によると、命令の発出日は2026年7月24日です。その後、10月19日に連邦官報の事前公開に掲載され、20日に正式掲載されました。
※いずれも2026年。出典:DHS署名入り命令書、米国連邦官報。
つまり、今回新たに確認できたのは、すでに発出されていた命令の具体的な内容が、官報を通じて正式に公開されたことです。
命令には、大きく分けて二つの措置が記されています。
| 措置 | 対象 |
|---|---|
| 新規調達からの除外 | DeepSeekおよび関連企業が開発した製品・サービス |
| 既存システムからの撤去 | DeepSeek・関連企業の製品に加え、DeepSeekの実装を利用して開発された第三者の製品・サービス |
この違いは重要です。DeepSeekという名前が付いていない製品でも、内部でDeepSeekの実装を利用して開発されている場合、撤去対象に含まれる可能性があります。
一方、官報の文言だけから、DeepSeekと何らかの関係がある製品すべてが一律に対象になると断定することはできません。個別の製品が対象に当たるかどうかは、実装方法や命令の適用関係を確認する必要があります。
AIサービスは、一つの会社だけで作られているとは限りません。例えば、利用者から見える画面やサービスはA社が提供していても、その内部ではB社が開発したAIモデルを使っていることがあります。
※一般的なAIサービスの構成を示した説明例です。特定の製品がDeepSeekを利用していることを示す図ではありません。
米政府が今回、第三者製品まで撤去対象に含めた背景には、こうした技術的な依存関係を通じたリスクを考慮する必要がある、という判断があります。製品の販売元だけでは、その内部でどのような技術が利用されているか分からない場合があるためです。
署名入り命令書では、DHSが懸念するリスクとして、主に次の内容が挙げられています。
命令書は、DeepSeekのプライバシーポリシーや公開されたセキュリティ調査などを根拠資料として挙げています。
今回確認した命令書は、特定の情報漏えい事件について被害件数や流出先を確定した事故調査報告書ではありません。また、DeepSeekのモデルを使った第三者製品についても、運用方法によってデータの流れやリスクは異なり得ます。
いいえ。今回のDHS命令の対象は、米国の連邦政府に属する文民行政機関です。
国防・情報機関のシステムについては、今回の命令とは別の権限や制度が関係します。また、一般の米国民や民間企業に対し、DeepSeekの使用を一律に禁止する命令でもありません。日本の自治体や企業に直接適用されるものでもありません。
「米政府がDeepSeekを禁止」とだけ表現すると、対象が実際より広く受け取られるおそれがあります。
署名入り命令書は、対象となる連邦文民行政機関に対し、命令発出後、対象製品を直ちに調達対象から除外し、既存システムから撤去することを求めています。ただし、例外を申請する仕組みも設けられています。
例外申請は命令発出から60日以内に書面で提出することとされ、CISAが申請を審査し、承認または不承認を文書で示します。
ここで注意したいのは、60日という期間が、10月20日の官報掲載日ではなく、7月24日の命令発出日を起点としていることです。
また、撤去が完了するまでの暫定的な対策として、通信の監視、ログ記録の強化、情報持ち出しの制御などが推奨されています。命令書には、発出から1年以内、その後は毎年、命令を見直すことも記されています。
今回の命令だけを根拠に、そう断定することはできません。
確認できるのは、米政府が法令に基づく安全保障上の評価を行い、連邦文民行政機関の調達・利用について制限する判断を下したことです。
一方、すべてのDeepSeekモデル、すべての導入形態、すべての第三者製品が同じ技術的リスクを持つと実証されたわけではありません。
AIモデルを外部のクラウドサービス経由で利用する場合と、独立した環境で運用する場合では、データの取り扱いが異なることもあります。ただし、今回の命令が個々の構成をどのように扱うかは、一般的な技術論だけで判断せず、適用条件を確認する必要があります。
今回の命令は日本に直接適用されません。それでも、AIサービスを導入するときに、販売元だけでなく内部の技術やデータの流れを確認するという視点は参考になります。
例えば、地域の事業者が顧客対応、予約管理、議事録作成、文書の要約などにAIを使う場合です。サービス名や販売会社だけを見ても、どのAIモデルが使われ、入力した情報がどこで処理されるか分からないことがあります。
これらは今回の米政府命令から考えられる実務上の確認事項であり、日本のすべての事業者に同じ法的義務が生じたという意味ではありません。
東村山・小平・東大和で、今回の命令に関連した具体的な被害が確認されたわけでもありません。
米国土安全保障省は2026年7月24日、連邦文民行政機関を対象に、DeepSeek関連製品の新規調達除外と既存システムからの撤去を命じました。その内容が10月20日の連邦官報に正式掲載されました。撤去対象には、DeepSeekの実装を利用して開発された第三者の製品・サービスも含まれます。
今回の命令によって、具体的にどの第三者製品が撤去されるのか、各機関での撤去状況や例外承認の実態は、今回確認した資料だけでは判断できません。また、DeepSeekが米政府の機密情報を実際に中国政府へ提供したことが、この命令によって証明されたわけではありません。
AIサービスの安全性は、画面に表示される会社名やモデルの性能だけで判断できるものではありません。どの企業の技術を利用し、入力した情報がどこで処理され、誰が管理しているのか。今回の命令は、AIを導入する際に、そうした技術的なつながりまで確認する必要性を考える材料になります。
身近な疑問を、一次情報から読み解く。
編集:まいぷれ東村山・小平・東大和編集部
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