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(更新)
OpenAI・Google・Anthropicなど主要6社が「外部評価」を含む安全管理に合意

図:公開資料をもとに編集部作成(生成AIを使用)
2026年9月29日、米ホワイトハウスで、OpenAI、Google、Anthropic、Meta、xAI、NVIDIAの主要AI・テクノロジー企業6社の経営陣が、最先端AIの安全管理について共通の原則を示す協定に署名しました。
名称は、
「White House Accord on Super Intelligence: Joint Commitment on Frontier Responsibilities」
(フロンティア技術の責任に関する共同コミットメント)
です。
署名したのは、GoogleのSundar Pichai氏、AnthropicのDario Amodei氏、MetaのMark Zuckerberg氏、OpenAIのGreg Brockman氏、xAIのElon Musk氏、NVIDIAのJensen Huang氏です。
今回注目したいのは、AI企業の内部だけで安全性を確認するのではなく、独立した外部の監査人・評価者によるチェックを安全管理の一層として明記したことです。
協定では、フロンティアモデルを開発・提供する企業について、4つの層からなる統制・監査の仕組みを示しています。
まず企業自身が、モデルの能力やアラインメント(AIの行動を人間の意図や方針に合わせること)を監視します。
対象として具体的に挙げられているのが、
などです。特に最後の項目は、この特集で追ってきたAIエージェントの逸脱事例とも直接つながります。
社内にチームを置き、監視や検知の仕組みが実際に意図通り動いているのか、問題が見つかった場合に修正されているのかを確認します。
ここが今回の大きなポイントです。協定では、各社が独立した外部の監査人または評価者と連携し、社内の統制・監視・検知が意図通り機能しているかについて独立した評価を行うことを掲げています。
取締役会に独立した委員会を設けます。この委員会が、社内チームや内部・外部の監査人・評価者から報告を受け、発見された問題が修正されるところまで監督する仕組みです。
整理すると、
AIを開発する現場
↓
社内のチェックチーム
↓
独立した外部監査・評価
↓
取締役会レベルの監督
という多層構造になります。
ここ最近、AIの安全性を考えるうえで気になる事例が相次いでいます。この特集でも、AIエージェントが想定された制約を越えて外部システムへアクセスした事例などを追ってきました。
Reutersも今回の協定について、OpenAIやAnthropicがAIエージェントによる外部システムへのアクセス事例を報告するなかで、米政権にAIリスクへの対応を求める圧力が強まっていると報じています。
こうした事例が増えていくと、一つの疑問が出てきます。そのAIが安全かどうかを、つくった会社だけで評価していていいのか?今回の協定は、この問題に対して「外部の独立した評価も組み込む」という方向を主要6社が共通して示したものと見ることができます。
OpenAI自身も協定の1週間前となる9月22日、第三者評価について、フロンティアAI研究機関にはモデルを安全に開発・提供する大きな責任があり、第三者評価は安全性の主張について独立した裏付けを与えるうえで重要だとする方針を公表していました。
今回の協定は、米国政府が企業に対して法律で義務付けた新しいAI規制ではありません。トランプ大統領は協定について「morally binding(道義的に拘束する)」と表現しており、Reutersもvoluntary standards(自主的な基準)として報じています。
協定本文にも、
将来的には、これらの仕組みを法律や規制として成文化することが合理的になる可能性がある
という趣旨の記述があります。
逆に言えば、現段階では法律や規制として義務化されたものではないということです。
そして、実効性を判断するための重要な部分はまだ決まっていません。
たとえば、
こうした具体的な制度設計は、今回公表された短い協定文からは確認できません。参加企業は今後、定期的に集まり、安全基準やベストプラクティスをつくっていくとしています。
現在、自治体や企業、学校などでも生成AIの利用が広がっています。
これまではAIサービスを選ぶとき、
といった点が中心でした。しかしAIが、文章をつくるだけでなく、メールを読み、外部サービスへアクセスし、コンピューターを操作する「AIエージェント」へ進んでいけば、もう一つ確認したいことが増えてきます。
「そのAIの安全性を、誰がチェックしているのか?」
今回の協定が具体化していけば、独立した第三者による評価を受けているかという点が、将来AIサービスを選ぶ際の確認項目の一つになる可能性があります。ただし、それが本当に信頼できる指標になるかどうかは、これから決まる監査・評価の基準や独立性、結果の公開方法などを見なければ判断できません。
9月29日に公表された協定では、OpenAI、Google、Anthropic、Meta、xAI、NVIDIAの主要6社が、社内の安全管理だけでなく、独立した外部監査人・評価者によるチェックを含む4層の仕組みを共通原則として掲げました。
一方で、これは法律による義務ではなく、監査する組織や評価基準、結果の公開方法などもまだ具体化されていません。
今回分かったのは、
「会社自身が安全性を確認するだけではなく、外からもチェックする」という方向性が主要企業の共通原則として明文化されたこと。
そして次に見るべきなのは、
「では、誰が・何を基準に・どこまで公開してチェックするのか?」
という部分です。
この特集では、今後、外部監査・評価の具体的な基準や実施機関、結果公開の仕組みなどが明らかになった場合も追跡していきます。
White House Accord on Super Intelligence: Joint Commitment on Frontier Responsibilities
https://www.washingtonexaminer.com/news/white-house/4747747/full-trump-white-house-accord-ai-super-intelligence/
Reuters(2026年9月29日)
「Trump, AI CEOs sign voluntary safety pact, back data center expansion」
OpenAI(2026年9月22日)
「Priorities and principles for effective third party assessments」
https://openai.com/ja-JP/index/priorities-principles-third-party-assessments/
CBS News(2026年9月29日)
「Trump and major AI executives sign "morally binding" voluntary controls」
https://www.cbsnews.com/news/trump-ai-constitution-tech-execs-openai-anthropic-voluntary-controls/
※2026年9月30日時点で確認。協定の具体的な監査基準や評価機関、結果の公開方法などについて新たな発表があった場合は追記します。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。