まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部
台湾の今を、日本へ。
まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部でございます。当事業部では、台湾の企業・商品・文化を日本へご紹介するとともに、地域や企業の皆さまをつなぐ相談窓口として活動しております。
連載「台湾の今」では、現地で起きている新しい動きを取り上げ、その背景にある仕組みや、日本の地域・事業者にもつながる視点とともにご紹介してまいります。
「台湾の大学と日本の街が直接協力したら、地域の課題を解決する新しい方法が生まれる?」
2026年10月6日、台湾南部の国立高雄大学と茨城県笠間市が、地方創生や教育、文化交流などに関する協力覚書(MOU)を締結しました。
大学同士の交流ではなく、台湾の大学と日本の地方自治体が直接協力する取り組みです。
10月7日に国立高雄大学が発表しました。
今回の協定は、国際交流を観光や文化紹介だけにとどめず、地域が抱える課題の解決や次世代の人材育成につなげようとするものです。
大学と自治体が直接協力する新しい形
協定の締結式は国立高雄大学で行われ、同大学の陳啓仁学長と笠間市の山口伸樹市長が署名しました。
主な協力分野には、次のようなものがあります。
地方創生と地域課題の解決
大学の社会的責任(USR)に関する国際協力
デジタル教育と教育交流
人材育成と学生交流
文化交流と都市間の連携
ここで注目したいのが、大学の研究や教育活動を、実際の地域課題と結びつけようとしている点です。
国立高雄大学では、大学が持つ知識や人材を地域社会に活かす「大学社会責任(USR)」の取り組みを進めています。
今回の協定は、こうした活動を台湾国内だけでなく、日本の地域社会にも広げる可能性を持っています。
笠間市が台湾との連携を進める背景
茨城県笠間市は、陶芸文化や観光資源などを持つ地域です。
一方、日本の多くの地方都市と同様に、少子化や人口減少への対応が課題となっています。
国立高雄大学の発表によると、笠間市は約6年前に台北に拠点を設置し、当初の観光交流から産業や教育へと交流分野を広げてきました。
近年は、中高生を台湾に派遣する短期研修など、人材育成にも力を入れています。
今回の協定では、国立高雄大学が進める「課題解決型学習(PBL)」にも期待が寄せられています。
PBLとは、実際の課題を題材に、学生が調査や議論を通じて解決方法を考える学習方法です。
例えば、地域の魅力をどのように発信するか、若者が地域に関わる機会をどう増やすかといったテーマも、こうした学習の対象になり得ます。
大学で学ぶことと、地域で実際に起きていることを結びつける取り組みです。
2027年には笠間市の中高生が高雄へ
今回の協定では、今後の具体的な交流についても話し合われています。
笠間市は2027年10月から11月にかけて、市内の中高生を高雄へ派遣する計画を進めています。
国立高雄大学を交流拠点の一つとし、台湾の教育現場や地域社会に触れる機会をつくる構想です。
また、国立高雄大学の教員や学生が笠間市を訪れ、地域調査、研修、実習などを行う可能性も検討されています。
さらに、茨城県立IT未来高等学校との教育交流についても意見が交わされました。
ただし、これらは今後の計画・検討段階にあり、具体的な実施内容については引き続き調整が必要です。
台湾と日本には共通する地域課題がある
今回の取り組みを考えるうえで重要なのは、台湾と日本が共通する地域課題を抱えていることです。
人口減少、高齢化、若者の地域外への流出、地域産業の担い手不足などは、日本だけの問題ではありません。
台湾でも、都市部への人口集中や地方の活性化が重要な課題となっています。
こうした状況のなかで、国境を越えて大学と地域が協力することには、新しい可能性があります。
例えば、日本の地域で課題となっていることに台湾の学生が異なる視点から向き合い、台湾で培われた地域づくりの経験を日本の自治体や事業者が学ぶことも考えられます。
反対に、日本の地域産業や文化継承の取り組みが、台湾側にとって参考になるかもしれません。
もちろん、今回の協定によって、すでに具体的な地域課題が解決されたわけではありません。
今後、どのような共同活動が実現し、地域の人々や事業者にどのような変化をもたらすのかが注目されます。
日本の地域事業者にとっても、新しい交流の可能性
地域づくりというと、行政や大学が中心となる活動を思い浮かべるかもしれません。
しかし、地域の魅力や課題を最も身近に知っているのは、その街で暮らし、働いている人々でもあります。
商店街、飲食店、伝統産業、農業、観光事業者など、地域には多様な知識や経験があります。
大学と自治体の連携が進めば、こうした地域事業者と学生が接点を持ち、地域の魅力を再発見する機会が生まれる可能性もあります。
例えば、地域商品の魅力を海外の視点から見直したり、若い世代と一緒に地域の情報発信を考えたりすることも、その一つでしょう。
今回の国立高雄大学と笠間市の協定は、そうした将来の協力を考えるきっかけにもなります。
台湾と日本をつなぐのは、観光や商品だけではない
これまで日台交流といえば、観光、食文化、物産展、企業間取引などが注目されることが多くありました。
今回の協定は、それに加えて「地域が抱える課題を一緒に考える」という交流の形を示しています。
大学が持つ研究や教育の力、自治体が持つ地域とのつながり、そして地域の人々が積み重ねてきた経験。
それぞれが国境を越えて結びついたとき、どのような取り組みが生まれるのでしょうか。
今後の具体的な交流活動と、その成果を引き続き注視していきたいと思います。
まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部では、台湾と日本の地域・企業・人をつなぐ取り組みに注目し、その可能性を発信してまいります。
主な確認資料
国立高雄大学「高雄大學攜手日本笠間市簽署MOU 『大學×城市』共探地方創生新模式」(2026年10月7日)
https://www.nuk.edu.tw/p/406-1000-101560,r83.php?Lang=zh-tw
※本記事は国立高雄大学の公式発表をもとに作成しています。今後の交流事業については、2026年10月9日時点で計画・検討段階の内容を含みます。
| 名称 | まちのね合同会社 台湾ビジネス事業部 |
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| フリガナ | マチノネゴウドウガイシャ タイワンビジネスジギョウブ |
| 住所 | 187-0023 小平市上水新町1-17-18 |
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