地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、東村山市・小平市・東大和市の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

東村山市・小平市・東大和市の地域情報サイト「まいぷれ」東村山市・小平市・東大和市

Cute Movies

ワン・チャンス

さえない男、たびかさなる不運、それでも36歳の男が、最後のワン チャンスにかけた

2014年3月21日(金)TOHOシネマズ 有楽座全国ロードショー<br>(c)2013 ONE CHANCE, LLC. All Rights Reserved.
2014年3月21日(金)TOHOシネマズ 有楽座全国ロードショー
(c)2013 ONE CHANCE, LLC. All Rights Reserved.
ワン・チャンス
http://onechance.gaga.ne.jp


監督:デヴィッド・フランケル
キャスト:
ジェームズ・コーデン アレクサンドラ・ローチ ジュリー・ウォルターズ コルム・ミーニイ  ジェミマ・ルーパー  マッケンジー・クルック  ヴァレリア・ビレロ
主題歌:「スウィーター・ザン・フィクション」ティーラー・スウィフト
楽曲吹き替え:ポール・ポッツ(本人):誰も寝てはならぬ 冷たい手を 星は光りぬ 愛らしい乙女よ 清きアイーダ タイム・トゥ・セイ・グッバイ さよなら大地 オー・ソレ・ミオ
ストーリー

さえない男、たびかさなる不運、それでも36歳の男が、最後のワン チャンスにかけた。


子どもの頃から、いつもいじめられていた太っちょで内気なポール・ポッツ(ジェームズ・コーデン)。
夢は「オペラ歌手」だが、自信のもてないポールは、夢に向かって突き進むことが出来ない彼は、大人になり、ケータイの販売員(バイト)となる。
そのようなポッツに生まれて初めてジュルズ(アレクサンドラ・ローチ)というガールフレンドが出来た。ポール
は夢を打ち明けた。ジュルズは、ベニスにあるオペラ学校への入学を勧めた。「ベニスのゴンドラの上から電話してね」と。資金は、パブのタレント・コンテストで優勝した賞金をあてることにした。

憧れの学校で学び、あの有名なパヴァロッティの前で歌えるという大きなチャンスを得た。だが、あれだけ評価された実力が発揮できない。「君はオペラ歌手にはなれないだろう」とパヴァロッティに言われてしまう。神様と敬う人からの決定的な一言は、ポールの心を打ち砕くに十分だった。

ジュルズと結婚し「アイーダ」の舞台に出演することになったポール。しかし、不運は続く。直前に手術。無理して出演して再入院。腫瘍も見つかり、また手術。歌えるようになったと有頂天になった直後、車にぶつかり大けが。入院費で家計は破たん。
それでも愛する妻や母親の励ましでオーデション番組に出演することにした。これが、最後のチャンスと覚悟したポールだが、本番になっても逃げだしたい思いは募るばかり。そこにポールの運命を決めたメールが届く。どのようなメールか? そして、ポールは…
実話がもたらす圧倒的な迫力。誰にでも可能性は開かれているという感動!!

数々の困難や不運を乗り越えて夢の世界を現実に変えたポール。
ポールは決して、条件が整っていたり、恵まれた道程はたどっていない。それでも彼はオペラ歌手になりたかった。好きだった。しかし、数少ないチャンスを前にして、自ら、あるいは病気や事故で次々と潰してきた。それでもケータイショップの上司や妻、母親の支えや励ましもあり、最後のワン チャンスにかけたのだ。
36歳という年齢もオペラ歌手としては、とても遠回りだったと思われる。

誰しもが一度はこういうことができたらとか、これ面白いとか、あこがれの世界を『夢』見るのではないだろうか。そして、夢見た人の何割が、その夢を実現していることだろう。
日常に流されて忘れてしまったり、自信がなかったり、それでも時折、思い出して「また、やってみよう、向かってみよう」と気を取り直しつつ、歳月は経ってゆく… そのような人が多いのでは。

この映画に共感し、また感動するのは、まさに日常のどこにでもいるポールのような私たちだと思えるところではないだろうか。ポールの人生逆転劇が及ぼす感動はとてつもなく大きい。そうだ、誰にだって可能性の道は開かれているのだと思わせる映画だ。
多くの方たちが、映画館に足を運び、その心と身体と魂の全部でこの物語を感じてほしい。そして、また、明日からの勇気に変えてほしいと思う。
ポールの歌声が、わたしたちの琴線を震わせてくれる空間を楽しむだけでも癒される。

制作裏ばなし

フランクル監督  -オペラにコメディを取り入れた!- 

『誰も寝てはならぬ』(トゥーランドットより)の歌声が、「ブリテンズ・ゴット・タレント」というオーディション番組の舞台に流れ始めたとたん、会場は一瞬、静寂に包まれ、そして感嘆の声と拍手の渦に変わった。この風采の上がらない太った男の声の美しさに騒然となる場面。
実話であるこの作品は、全編を通してポール・ポッツの実際の歌声に満たされている。
世界的にも「ワン チャンス」というアルバムは400万枚という大ヒットを記録した。波瀾万丈の人生とともに多くの人々の共感を得たのだ。余談だが、このオーディション番組では、あのスーザン・ボイルも見出されている。
監督は「プラダを着た悪魔」でおなじみのデビィッド・フランクル。彼もポールの大ファン。そして、オペラの世界にコメディを入れたら面白くなるだろうと考えていたともいう。
観客は、ポールとともに泣き、怒り、同情し、笑い転げるという繰り返しに、まさに監督の手のひらの上で喜怒哀楽を体験させてもらっている気分になることだろう。
ポール役は、「才能はあるし、似ているし、ユーモアだけじゃなくハートもある。全くうってつけだ」と、製作者たちの満場一致でジェームズ・コーデンに決まったという。
「One Man, Two Guvnors」でトニー賞を獲得した英国の人気俳優だ。
当初、オペラは吹き替えなしでという考えもあったようだが、最終的にはポールの歌声でと決まった。コーデンが吹き替えなしにこだわったのは、真似事では観客に見透かされてしまうという懸念があったようだ。したがって撮影中は全てコーエンが歌ったという。おかげでリアルな画面となった。
ちなみにポールは優勝したあと、エリザベス女王の前でもオペラを披露したということだ。

text by おおた まる