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暮らしと仕事の「?」を調べてみた

12歳時点の「自分専用スマホ」と摂食障害症状の関連を調べた研究

(更新)

子どものスマホ、何歳から持たせる?

図:公開資料をもとに編集部作成(生成AIを使用)

子どものスマホ、何歳から

 

子どもにスマートフォンを持たせるとき、

「1日何時間までにする?」

「SNSはどこまで使わせる?」

といった使い方を考える家庭は多いと思います。

 

2026年9月25日、医学誌 JAMA Network Open に、米国の子ども8,957人を対象として、スマートフォンを持つ時期と、その後の摂食障害症状との関連を調べた研究が発表されました。

 

子どものスマホは、「何時間使うか」だけでなく「いつから自分専用の端末を持つか」も考えた方がいいのでしょうか?

 

8,957人の子どもを追跡

 

研究に使われたのは、米国で子どもの発達を長期間追跡している大規模研究「Adolescent Brain Cognitive Development(ABCD)Study」のデータです。

 

今回の分析対象は8,957人。

 

そのうち、12歳時点で自分のスマートフォンを持っていたのは6,225人、69.5%でした。研究チームは、12歳時点でスマートフォンを持っていたかどうかと、12歳・14歳時点でみられた摂食障害に関連する症状との関係を調べました。

 

調べたのは、

  • 過食
  • 体重増加を防ぐための不適切な代償行動
  • 体重が増えることへの強い心配

自分の価値を体重と結び付けることなどです。ここで重要なのは、摂食障害の「診断」を受けた人数を調べた研究ではなく、摂食障害に関連する「症状」を調べた研究だという点です。

 

12歳でスマホを持っていた子どもを14歳まで見ると


研究では、性別、世帯収入、保護者の学歴、思春期の発達段階、抑うつ症状、保護者による見守り、体重、ほかのデジタル機器の所有など、さまざまな要因を統計的に調整しました。さらに14歳時点を調べる縦断解析では、12歳時点ですでに同じ症状があったかどうかも調整しています。その結果、12歳時点でスマートフォンを持っていた子どもでは、持っていなかった子どもと比較して、14歳時点で、

  • 過食症状 1.67倍
  • 体重増加を防ぐための不適切な代償行動 1.50倍
  • 自分の価値を体重と結び付ける症状 2.03倍
  • 何らかの摂食障害症状 1.49倍

のリスクが認められました。今回確認されたのは、あくまで

「12歳時点のスマートフォン所有」と「14歳時点の一部の摂食障害症状」に関連があったということです。

スマートフォンが症状を引き起こしたと証明されたわけではありません。研究チーム自身も、この研究では因果関係を確定できないと明記しています。

 

例えば、スマートフォンを早く持つ家庭と遅く持つ家庭では、今回の分析では捉えきれなかった別の違いがあるかもしれません。学校やオンライン上でのいじめ、発達上の特性、既存または新たに生じたメンタルヘルス上の問題など、今回十分に調整できなかった要因もあります。

 

さらに、研究では「スマートフォンを所有しているか」は分かっても、

  • 何時間使っていたのか
  • どのSNSを使っていたのか
  • どんな動画や画像を見ていたのか
  • 夜中まで使っていたのか

までは、この分析では分かりません。

 

なぜ「自分専用」であることが関係する可能性がある?

 

では、なぜスマートフォンの所有と摂食障害症状に関連がみられたのでしょうか。研究チームは、今後さらに調べる必要がある可能性として、いくつかの経路を挙げています。例えば、スマートフォンを自分で持つようになると、親と共有する端末などとは違い、より私的に、頻繁に、自分向けに最適化されたコンテンツへアクセスできるようになります。

 

SNSなどで理想化された体形や容姿に触れること、他人と自分を比較すること、個人向けに表示されるコンテンツ、夜間の利用による睡眠への影響などです。ただし、これらは今回の研究で「原因」として証明されたものではありません。

 

「何時間?」と「何歳から?」は別の問題かもしれない

 

子どもとデジタル機器をめぐる議論では、「スクリーン時間を1日何時間までにするか」が注目されてきました。しかし今回の研究から浮かんでくるのは、それとは少し違う問いです。同じ1時間でも、家族の端末を借りて使う1時間と、自分のスマートフォンを持ち、自分の部屋でも使える1時間では、子どもを取り巻くデジタル環境は同じなのでしょうか。

 

自分専用のスマートフォンを持つことは、単に「画面を見る時間が増える」という変化だけではありません。

  • 誰にも見られずにアクセスできること。
  • 自分専用のアカウントを持つこと。
  • 自分向けのおすすめが蓄積されていくこと。
  • 友人との連絡がいつでも届くこと。
  • 生活の中へスマートフォンが常に存在するようになること。

そう考えると、スクリーン時間、SNS利用、スマートフォンの所有年齢は、別々に考える必要がある問題なのかもしれません。

 

では、何歳から持たせればいい?


残念ながら、今回の研究から、「○歳からなら安全」という答えは出せません。むしろ今回分かったのは、「何歳から」という家庭の身近な判断についても、まだ科学的に分かっていないことが多いということです。

 

子どもに初めてスマートフォンを持たせるとき、

  • 「周りの友達が持っているから」
  • 「中学生になるから」

だけではなく、

  • 何に使うのか。
  • どこまで一人で使わせるのか。
  • 夜はどうするのか。
  • SNSや動画をどう扱うのか。

困ったことが起きたときに親へ相談できるか。こうしたことを一緒に考えることも、「何歳から持たせるか」と同じくらい重要なのかもしれません。


小学校高学年から中学生にかけては、東村山・小平・東大和でも、多くの家庭が「そろそろスマホを持たせる?」と考え始める時期です。今回の研究は米国の子どもを対象としたものであり、その結果をそのまま日本の子どもへ当てはめることはできません。

 

それでも、「何時間まで?」だけを考えれば十分なのか。「自分専用のスマホを持つ」という変化そのものについても考える必要があるのか。という問いは、家庭にとっても無関係ではありません。

 

スマホを持たせる・持たせないの二択ではなく、子どもが自分専用のデジタル空間を持ち始めるとき、大人は何を一緒に考えるべきなのかを考えていかないといけないのかもしれません。

 

主な確認資料

 

JAMA Network Open
Jason M. Nagata ほか
「Smartphone Ownership and Eating Disorder Symptoms in Early Adolescence」2026年9月25日公開
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2854492

Adolescent Brain Cognitive Development(ABCD)Study
https://abcdstudy.org/

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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